住宅リフォーム推進協議会 リフォームよもやま話

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第65話 「難しいから面白い」
 リフォームに携わって20数年になりますが、仕事をするたびにいつもリフォームは難しいとつくづく思います。
築年数を経過した住まいは、汚れ、設備の老朽化による更新の必要な箇所が多く、さらに、家族の状況とも、暮らしたい住まいのイメージからもかけ離れています。だからこそリフォームになるのです。施主からの要望などを聞き、住まいのハードの現状と暮らし方、家族の状況を観察し、リフォーム計画を立てます。最近は、要望のハッキリしている方が多いように感じます。要望も不満も山のようですが、聞き落とさず、お聞きした内容の中で、最優先事項を見極めていかなくてはなりません。 家中に及ぶ要望を実現するとなると、全面改修になり、工事金額が大きくなるので、ハムレットさながらに、新築にすべきか、工事範囲をどこまでにするかを悩みます。その悩みを解決するには、工事金額を算出するしかありません。「最初はびっくりしてください」と申し上げていても、フルスペックの見積もりは、いつも施主を驚かせてしまいます。リフォームは、小規模ゆえの効率の悪さ、解体も大工による手壊し、長年の細々とした不満と素敵な住まいへのあこがれが、工事費用を押し上げます。既存の住まいよりグレードが低くなることもありません。新築よりも高価な工事といえます。
 数年前に、奥様が自宅でお料理教室をするためのリフォームをしました。ご主人は、定年を迎えるにあたって、奥様の長年の夢を叶えてあげたいという依頼でした。奥様の要望は、教室となる居間を和室と一体にして広く、狭い玄関も来客を迎えるにふさわしく、外装も一新して…と要望はとめどなく、ご主人の心配をよそに、工事費用はとうてい予算内に納まりそうもありません。予算内に納めるために着目したのが、道路に面したお庭、お花の好きな奥様と日曜大工の好きなご主人との共同作業で、お花の咲き乱れる雰囲気のあるお庭となっていました。「お庭でのウエルカムシャンパンで生徒さんを迎えるのも素敵ですよ」と庭から直接居間にアプローチするように提案。玄関と廊下を工事範囲からはずすことで費用を抑えることができ、リフォーム計画がまとまりました。居間までのアプローチとなるウッドデッキ工事は、ご主人が腕をふるうことになりました。教室のお披露目ももうすぐ、明日は内装工事というあわただしい中で、奥様から待ったがかかりました。和室の傷だらけの柱にボードを打ち付けようとしていたのですが、その傷は、お子さんの成長の印だったのです。結局、奥様もおしゃれなリビングに傷だらけの柱はない方がよいと納得してくださり、柱はボードの中に隠蔽されました。でもやっぱり、額縁をぐるっと回しても柱の傷を残してあげるべきだったのかな…、もう少し早くわかっていれば、違った対応ができたかなと、忘れられない工事中の出来事です。
 リフォームは、既存の住まいの調査に始まり、難問をクリアして、設計を完成させても、工事が始まれば、既存部分との取り合いや釣り合いの悪さなどの施工がらみの問題との調整も必要となります。既存建物の良いところを引き出し、さらに魅力的に変身させるのがリフォームの醍醐味です。リフォーム工事が完成し、住みながらの不便な暮らしにも辛抱していただいたお客様が喜ぶ顔は、何よりうれしいものです。リフォームは、長年の不満が解決した爽快感、工事前と後の劇的変化を施主が実感することができ、お金をかけた以上の満足感を感じていただけるのかもしれません。一度味わったらやみつきになり、リフォームを度々依頼してくださるお客様もいます。そして、プランナーとしての私も、リフォームの面白さに病みつきとなっています。


三井ホームリモデリング株式会社
        リフォームプランナー 
               嶋津幸子
〒162-0825
東京都新宿区神楽坂1-15 神楽坂1丁目ビル8階
TEL.03-5228-5631

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