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第55話 介護リフォームと終の棲み家
知人の整体治療院の院長からご紹介をいただき弊社で提案と施工をした実例です。
ご自宅は目黒区内にあり、木造のお住まいで築40年は経過している感じでしたが、屋根・外壁・雨樋など手入れしてあり、特に問題はない様子でした。奥様は80代で、すでに他界したご主人様とかけがえのない日々を過ごした愛着を感じさせる住まいそのものです。 挨拶が終わり、まずはお住まい拝見、1階は居間・食堂・台所・トイレ・他に神棚とお仏壇がある和室、二階は洗面所・トイレ・浴室・寝室(和室)・予備室とこのような間取りでした。お茶を頂きながらお打合せです、奥様のご要望は「両膝の状態がよくないので階段に昇降機を取り付けたい、可能でしょうか?」やや不安そうに言いました。奥様は、そのことを3年位前から考えて居られ、多少勉強していたこともあり階段が狭いことは認識されていました。 奥様はおもむろに、「実はこの家を建てた建築会社に聞いたことがあります。その時は、階段が狭くて昇降機をつけるのは無理ですから、お庭に増築されたら如何ですか?」と薦められたそうです。でも、「私は花と植栽を大切にしていますから、庭をつぶすことはしません」とはっきりと断ったそうです。「しかたなく1階の奥の勝手口スペースを使いユニットバスを設置してしまいました。でも一度も使わず物置状態になっているのよ」とのお話です。「介護が必要になるまで動けるうちは自立し、二階にある浴室と日当たりの良い寝室で過ごすことが私にとって一番大切ことなの」と言いながら苦笑しておられました。 私共は、このようなお話を聞きながら、昇降機メーカーの技術者と階段廻りの調査にはいりました。事前に「階段昇降機の実寸型紙」を製作していった私は「奥様取り付けるとこのような状態になります」「取り付けても階段の上り下りは何とか大丈夫ですね!」「今ある手摺は位置を変えれば問題なく使えます!」と奥様に理解していただき、昇降機を取り付けることになりました。 浴室廻りの手摺も含め、わずか2日間の作業で完璧に取り付けることができ作業終了後、奥様に試験走行していただいた時は、子供がおもちゃを手にした時のように嬉しそうな顔をされて、「これで誰の手も借りず2階にいけるわ!」と大喜びでした。1階と2階を誰の手も借りず、自由に往復できるようになった夜は嬉しくて嬉しくて午前3時まで眠れなかったと後日聞かされ私共も感激いたしました。 今は親子のような感じでお付き合いさせていただいております。秋になると山形の美味しいりんごが届きます。お客様から喜ばれお気遣いいただき食すりんごは感慨深いのものがあります。感謝。
AB企画開発(株) 一級建築士事務所
介護建築研究所 代表 阿部常夫 〒171-0022 東京都豊島区南池袋2-4-1 TEL 03-3971-6712 FAX 03-3971-7724
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