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第43話 塗装工事管理者としてのリフォーム体験談
塗装工事にかかわらずリフォーム工事はその殆んどが、一部を除きほとんどの方がクライアントである居住者が実際に日常生活を営んでいる場合が多い。つまり、我々は如何にお客様の日常の生活環境を変えずに工事を進めなくてはいけない、という大命題が常に要求されている。私がかつて、工事管理をしていた頃の苦労話をしたい。
事例@、集合住宅の開放廊下塗床工事の件。当時、現在のような速硬性・速乾性の材料が無く、縦割りに交互に仕上げることが多かった。しかし、これでは必ずと言っていいほど塗り継ぎが目立ち見栄えが良くない。そこで、工事を深夜に行うことが多かった。当然、居住者には数週間前には工事予定を周知徹底し、深夜0時までのご帰宅をお願いしていた。 しかし、いざ工事を始めると泥酔してご帰還のご主人様などは施工中のこともあり、作業員がその方の靴を汚さないため背負って送り届けたりして何とか対応は出来る。当然、足跡はやり直すが。 ところが、施工が無事終了し約束の翌朝6時までには乾燥・硬化が期待できると、作業員一同、大げさな言い方だが手を取り合って喜び合う。がしかし、8時に出社後、一番に現場に確認に向かうと何と足跡が残っていたりする。当然、犯人 (失礼!) は容易に判明するが。勿論、だからといってこちらからは何も言えない。 事例A、日常の生活環境を変えずに、と言ってもやはり居住者の皆様には様々なご負担を強いることになる。騒音、振動、塵埃、臭気、ベランダの使用制限、等など。そして何と言っても洗濯物や布団を干せないことが日中ご在宅の主婦の皆様の心配事である。大きな集合住宅ともなると縦割りに工区を決め、上から下への施工が一般的となる。 そしてその工区での詳細な工程により、居住者には洗濯物の制限など最小限のご負担をおかけする。しかし、その工区の中で工程・工種によりたった一軒でも洗濯物や布団などが干してあると工事が出来ないこととなる。 勿論、事前にお知らせはしてあるのだが訪ねても共働きのご家庭など、不在の場合がある。工事者はそれらの物には手を出さないので、結局その日の工事は変更となり、再工程を組まざるを得なくなる。他の居住者のご負担も大きくなり工期にも影響する。 これらはほんの一例に過ぎないが、工事者として最小限にとどめる努力をしても実際には居住者にはご負担を少なからずお掛けしている。ある工事で点検のため足場を歩いているとベランダから呼び止められ、そのご家庭のご主人様とお話をした。 大半はお褒めの言葉であったので安心したが、ご主人様の背後から奥様がお盆に乗せた茶菓を出されたのには驚いた。恐縮すると共に手摺を隔てた位置関係でお茶を頂くという、複雑な喜びを覚えたことがある。こんな経験は後にも先にも始めてであった。 工事管理者として居住者の皆様にはご挨拶の言葉を発することを自らも、そして作業員にも徹底している。工事が完了し飛散防止用のメッシュ・シートを撤去し足場を解体すると、そこには綺麗になった建物が目の前に現れる。奥様方の歓声を完工の安堵感と共に聞く瞬間である。 居住者にお願いした工事完成時の不具合などのアンケート調査の結果の一枚一枚目に通し「有難うございました」などの感謝の言葉を読むと、思わずこちらも工事期間中ご迷惑をお掛けしたお詫びの心で頭を下げたくなる。 今日もこうして、現場では工事が進む。
内藤塗装工業(株)
部長 内藤 文明 埼玉県本庄市3339-3 TEL 0495-24-0333 FAX 0495-24-2326
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