住宅リフォーム推進協議会 リフォームよもやま話

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第38話 リフォームで資産価値を上げる(その1)
 最近、昭和16年に棟上げされて、3年後の18年に竣工した家屋の改修工事(リフォーム)に立ち会いました。
建主は織物会社で成功された方で、資材不足の戦争当時、自分の思い通りの建築資材を全国から調達し、施工は宮大工さんに頼んだだけあって、62年後の今日でも、びくともしていません。

 総檜の2階建、屋根は鬼瓦付きの和風瓦、建具は120p幅の屋久杉(推定、樹齢400年)の無垢板が使われていたり、格子木組み細工で漆仕上げなど、目立たない所に贅を尽くした家になっていました。
 そして日本の気候風土に合わせ、立地条件を考慮した純日本建築様式に仕上がっていたのです。

 多分、戦争中の事ですから「贅沢は国民の敵」と言われていた時代に、これだけの家を造られたのには、並々ならぬご苦労と家を末代まで残すと言う強い信念があったからこそだと思います。戦火で周りの家が消滅し焼け跡に一軒だけ、まるでお城のように立ち尽くす姿に、当時を知る人は何か神懸かりを感じたそうです。

 戦後の混乱期、その家に住まわれながら、修繕をしてくれる大工さんや職人さんが見つからずに、ご自分で外壁や雨戸、建具にペンキを塗ったりして補修をされていましたが、後になって見ると、折角、貴重な資材でつくられた家が台無しになってしまいました。  平成13年に修復工事の計画が始まり、市に昭和初期の貴重な建築物として改修保存が出来ないかと訴えましたが、予算が無いと断られ、現在の持ち主が独力で改修を行う事となりました。

 幸い日本建築様式に長けた建築士の方、宮大工さんを抱えた工務店、先代から建具を専門にしていたリフォーム会社、屋根瓦を修復してくれる瓦屋さんが集まり、2階建を平屋(130u)に改修しましたが、柱や鴨居、天井板は灰薬で洗いだしただけで見事に昭和18年当時の姿を再現する事が出来ました。その上、余ほど災害に遭わない限り、この家は百年は持つと保証されたのです。

 もし現在この家を新築した場合、3億円を掛けても出来ないでしょう。何故なら使われている建築資材を手に入れる事が難しいからです。
 改修せずに放置しておけば、何時かは朽ち果てて取り壊されてしまい、家の価値はゼロになり、以前此処にお城のような家が有ったと言う事しか残りません。此こそ改修で資産価値が上がった良い例だと思います。

 家のリフォームには浴室の改修程度から、構造材まで交換しなければならない本格的な改修工事とが有ります。 貴方が家のリフォームを考える時に、信頼のおける建築士やリフォーム会社に相談して、今より資産価値が上がる改修を心掛けてください。
(社)東京建築士会・目黒支部 会長
アイ・エム・エス(株)代表取締役 金子 孝治

目黒区目黒本町2-23-4
TEL 03-3794-1678
FAX 03-3794-1975
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