住宅リフォーム推進協議会 リフォームよもやま話

トップページリフォームよもやま話

第33話 マンション共用部と専有部のリフォーム
 古いマンションで共用部の改修と専有部のリフォームを一緒に行うことが増えてきました。住戸内のパイプシャフトを通っている共用の排水管を取り替えるために専有部の一部の壁を壊して修復する工事があるので、あわせて専有配管も寿命が過ぎているし取り替えるというのが代表的なきっかけのようです。築後およそ25年以上のマンションが当てはまりますから、お父さんは定年退職で家にいて、子どもたちは結婚して別な生活、お母さんとの二人暮らしで少々部屋をもてあまし気味というケースが多く見られます。専有の配管や仕上材を新しくするだけでなく、間取りを変えて住みやすく、孫たちが遊びに来て泊まれる部屋を、弱ってきた体にあわせてバリアフリーに、加齢にともない積み上がった本の整理棚を中心になど、リフォームの目的とイメージはさまざまにあります。

 25年という年月はライフスタイルが変わり世代交代がおこなわれるだけでなく、新しい技術や商品が性能を向上させて、住生活にまつわる法律の整備も大きく変わっています。インテリアリフォームのほとんどが確認申請を必要としませんが、現在の建築基準法に適合させた上で快適な空間をつくりたいものです。平成15年7月から施行されたシックハウス対策に準じて、内装の下地材、仕上材、接着剤、塗料、什器などをすべてF☆☆☆☆(ホルムアルデヒドの放散が最も少ない区分)とし、24時間換気を導入すると、一昔前のリフォーム時の独特な臭いがまったく感じられません。今後はさらに多くの有害化学物質についても規制がきびしくなるようです。

 音の問題については細心の注意を払いたいところです。フローリングの遮音等級をLL-45以上というように管理組合で仕様を決めているところもありますが、これは軽量床衝撃音についての遮音性能であって、子ども飛び跳ねて伝わる重量床衝撃音についての遮音性能(LH-50など)はコンクリート床スラブの厚みで決まってしまいます。古いマンションですと厚みが130oや110oといった極めて薄いスラブもありますから、既存のカーペットを剥がしてLL-45のフローリングを張って終わりという訳にいきません。薄いスラブの遮音性を補う下地の組み方など専門的な知識と工夫が必要です。

 サッシや玄関扉は共用部分なので原則的には各戸で取り替えられませんが、ある水準以上の耐風性、水密性、遮音性、材質、形状、色などを細則で定めて、各戸負担によるサッシ取り替えを認めているマンションもあります。サッシの上部に小窓が付いていて給気ができるタイプを、気密性の高いサッシに取り替えてしまうと、室内に給気口がないために換気扇の引きが悪くなったり、使っていない系統の換気扇排気口から給気してしまうなど問題が生じます。コンクリート外壁に給気用スリーブを開口するルールを定めた規定や指針なども、管理組合の規約整備における課題となっています。

 国土交通省ではマンション再生マニュアルを作成し、良質なマンションストックの形成に努めています。今後ますますマンションにおける住宅リフォームが増えることが予想されます。高経年マンションでこれからも長く快適に暮らすには、共用部と専有部の双方からの手当てが欠かせませんから、管理組合と各戸のコミュニケーションがとても大事です。
宮城設計一級建築士事務所
宮城秋治

住宅リフォーム推進協議会
住宅リフォーム推進協議会
トップページへ
協議会概要
会員団体
入会案内
会員ニュース
会員イベント案内
倫理憲章
標準契約書式集
発行物案内
国土交通省
住まいの情報発信局
住宅リフォーム・紛争処理支援センター
リフォネット