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第14話 わずか10ミリの攻防
「ベランダに洗濯機があって不便なので部屋の中に移動したいんです」と、電話を受けたとあるマンションの一室へ。
近くに水廻りがあればさほど難しい改修ではないなと思いつつ、案内された場所は納戸の一角でした。
「ここに洗濯機を置きたいのですが、おいくら掛かりますか?」と、あっさり言われるお客様に対して、しばらく言葉が出ませんでした。何から説明したらいいのだろう? 「ここに洗濯機を置くのは可能ですが、水と排水を確保しなければいけないのです。水は隣の洗面所から分岐すればなんとかなりますが、問題は排水です。床を剥いでみないとなんとも言えないのですが、場合によっては部分的に床を上げる必要が出てきます」と、配水管の勾配のことも含め熱弁を揮い、ご説明しました。結果、何通りかの見積を提出後、合意。 工事着手へ(排水は近くにビニール製縦管あり)。納戸の床を剥いでみるとそのスペース(床下)はジャスト100ミリでした。洗濯機パンのトラップ厚は110ミリ。さてどうするか? 「部分的に床を上げざるを得ませんね」と、お伺いを立てるとお客様は難色を示し「他に方法はありませんか?」の問に「無い」と言いたかったのですが、「スラブを少しはつれば(コンクリートを壊す作業)何とかなりますが、マンション全体に音が響き渡るし、埃もたち、今日中に工事が終わらないかもしれませんよ」と小声で言うと、お客様は玄関を飛び出て、しばらくして戻ってこられた。 「在宅しているところへはお断りしたので、その方法でお願いします」と。 養生をし、上下左右のお宅に気兼ねしながらはつりを開始、何とか無事はつり終えてその日中に無事工事を完了しました。 設備工事が絡むリフォームについて一番難しい点は、その部分を壊してみないと分からない、またそのことをお客様に納得して頂けるよういかに説明できるかだと思います。 今回のようなケースは他にもたくさんあるでしょう。わずか10ミリのためにそれぞれが苦労することになりましたが、リフォーム用商品として、少しでも薄いトラップ、センチ単位で選べる洗濯機パン等あればいいなと感じているのは私だけでしょうか? 都度違うパターン、状況にいかに対処してお客様に満足して頂けるか?リフォームという仕事に面白さを感じている毎日です。
(有)五十嵐設備工業所
代表取締役 五十嵐 俊弘 〒213-0025 川崎市高津区蟹ヶ谷146 TEL 044-777-3250 FAX 044-777-3326
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