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20物件探し+リノベーションをセットで提供1994年に設立したA社は、1999年頃からリノベーション事業を開始しました。当初は一般リフォームとの違いがユーザーになかなか理解されませんでしたが、中古住宅のリノベーション再販によって認知度を高め、客層を広げることに成功しました。同社は建築士事務所と建設業、宅建業を兼務しており、物件紹介からリフォーム設計、施工とワンストップでのサービスを提供。同社の顧客は、中古住宅購入とリノベーションを同時に行う一次取得層が9割を占めるまでになりました。1次取得者に向けての中古購入+リノベーションの予算としては、同じエリアの新築の8割以内を1つの目安としています。大阪市内の80uの新築物件が約4,000万円だと仮定した場合、築25年の同規模の中古物件を約2,000万円で取得し、1,000万円のリノベーションを施し、合計約3,000万円程度で提供するイメージです。お客様から希望するエリア、予算、種別、個別要望などの条件をうかがうと、候補となる中古住宅探しを開始します。不動産仲介物件は自社のWEBページにも掲載されており、ここから希望物件とリノベーションをセットにした相談ケースも多いといいます。融資面においても、中古購入とリノベーション費用を一括で100%融資してくれる金融機関を確保し、リフォーム費用も住宅購入向けの低金利で借り入れできます。セレクト型で低コスト・業務省力化を実現リフォームに際しては、仕上げ材は更新し、使える下地や設備機器等は極力生かすことで、コストダウンをめざしています。また、部位別に最長2年の保証を付け、引き渡し後の不具合にもアフターサービスの形で対処します。また同社では、マンションに限ってセレクト型のリノベーションシステムをつくり、打ち合わせや工期の短縮化、コスト軽減に努めています。市内の中古マンションで築20?30年の物件の間取りは概ね7パターンに分類できるといいます。世帯構成に応じたリノベーション後の間取りについて、「セレクトプラン」としてそれぞれ4プランを用意(7パターン×4プラン=28通り)し、他に建材やパーツなどをメニューの中から選択できます。このセレクト型は、標準仕様で590万円(税別、60u?65u未満)と定められ、オプションを追加できる「標準+α」の明快な価格体系が支持されています。セレクト型は、自社の業務省力化にもつながっています。自由設計型がコーディネーターと建築士の2名で対応するのに対し、セレクト型ならコーディネーター1名で打ち合わせから引き渡しまでこなせるといいます。中古物件ならではの価格面での優位性に加えて、リフォームによる「均質化されていない住まい」の提供、そしてワンストップ化による簡便性は、若い世代を中心にユーザーの獲得や広がりを期待できるサービスといえそうです。第2章「長寿命化リフォーム」ビジネスレポート