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2「『長寿命化リフォーム』の提案」テキストP18?P21「長寿命化リフォームの進め方」「長寿命化リフォームの診断・適否判断」長寿命化リフォームとは、既存の住宅を社会資産として、長期にわたり愛着を持って活用し続けられるために実施するリフォームのことです。長寿命化リフォームによって既存住宅の資産価値を高め、将来中古住宅市場での流通を可能とすることも大きな意義の1つといえます。1つの家族が終の棲み家として使用するだけでなく、2世帯住宅や賃貸化(全部または一部)、コミュニティスペース等への転用、譲渡や売却など、将来さまざまな形で住み継がれることを想定した計画が必要です。長寿命化リフォームの実施に際しては、大きく第1段階「診断・企画・事業適否判断」→第2段階「設計・施工」→第3段階「維持管理」の3つのステップの順で進められます。図1は、3つのステップのうち、第1段階「診断・企画・事業適否判断」の流れの例を示したものです。大きく、以下の3点から評価・検討します。@建物構造部の耐震性能・耐久性A住宅の長寿命化に必要となる住宅性能B居住性これらを確認したうえで、建物に対する愛着、町並み、景観との調和等の「ソフト面の検討」を加えながら、長寿命化リフォームの意義を説明し、居住者または所有者(以下「居住者等」という)に提案します。確認する際のポイントまずはじめに、建物の長期使用に不可欠な「@建物構造部の耐震性能・耐久性の診断」を行います。ここでは地盤の強度、構造躯体の強度や劣化具合、屋根や外壁からの雨水浸入の有無など、建物の耐久性に関わる問題点がないかどうか確認します。改修を要すると判断した場合はその改修方法と概算費用を確認します。次いで「A住宅の長寿命化に必要となる住宅性能の診断」を行います。現状の断熱材などの充填状況やバリアフリーへの配慮など、快適性や安全性に必要な住宅性能について確認します。バリアフリー性能については、現状の居住者等への対応だけでなく、将来の高齢化を考えた準備も含めて検討します。改修を要すると判断される場合は、改修方法および範囲、概算費用を確認します。そのうえで「B居住性の診断」を行います。主に室内の居住性についての確認が中心となりますが、内装や設備等の不具合の確認をはじめ、間取りや仕様などについて居住者等の要望もうかがい、概算費用を算出します。段階的な実施の検討も以上、@からBまでの調査結果をもとに、長寿命化リフォームで必要となる改修の内容を整理し、全体の概算費用を確認します。費用が予算よりも高くなる場合は、建物の耐久性や住宅性能の向上などを優先し、改修時期や費用の目安を整理して、長寿命化リフォームを1回で実施するか、または段階的に実施することが可能かどうかについて提案します。第1章「長寿命化リフォーム」実践のためのアプローチ