「長寿命化リフォーム」の提案 Ⅷ
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70[第4章]長寿命化リフォームをビジネスに活かす3 長寿命化リフォーム提案のための体制づくり3-1 現状のビジネス体制を発展させるこれまでのビジネスの延長で長寿命化リフォームへと業務を広げていきましょう事業者にとっても取り組むメリットは大 長寿命化リフォームは、リフォーム事業者にとっても取り組むメリットの大きい分野といえます(表4−7)。 一般のリフォームより工事内容が拡大し、大型化していきますから、受注できれば売上高のアップにつながります。また、建物全体の性能をチェックできるインスペクション能力や、構造部や外皮を取り扱えるなどの高い技術力は、修繕・機器交換型のリフォーム事業者との大きな差別化になり、競争力を高められます。 また、長寿命化リフォームの実施後、アフターサービスや点検、定期修繕などの実施により、住まい手と長期にわたる関係を築くことが可能になります。良好な関係をつくれれば、その後のリフォームの依頼も増えていくはずです。持ち合わせたい3つのスキル 建物の1部位や特定の部屋のみを対象とする部分リフォームと違い、建物全体を工事対象とする長寿命化リフォームは総合的な技術力や提案力が求められます。ただ、これまでの業務体制を活かしながら、長寿命化リフォームに取り組むことも可能です。ただその際、3つのスキルが重要になっていきます(表4−8)。 まず、建物を長寿命化・性能向上させるためのハード面での的確な「技術力」です。なかでも建物調査能力=インスペクション能力は欠かせません。それは、その建物に適したレベルの性能を付与するためには、現状性能を正しく知ることが不可欠だからです。 目視や、簡易な計測器等を使用した建物調査力は、長寿命化リフォームに限らず、これから全てのリフォーム業務に欠かせない能力になっていくことでしょう。2017年の宅建業法改正によって、今後中古住宅へのインスペクション需要が増え、不動産会社からの依頼も増えていくことが予想されます。なお、耐震検査のような本格的な調査能力は外注でも構いません。 長寿命化リフォームでは、お客様の要望や思いを的確に聞き取れる「コミュニケーション力」も重要です。現在の建物を長寿命化して次の世代まで使い続けていくためには、現在の要望だけでなく、将来の使い方まで含めた住まい手の考えを引き出す必要があるためです。 そして、リフォーム後も含めた、お客様との「緊密なリレーション」づくりが欠かせません。長期使用が可能になる分、住まい手の加齢や家族構成の変化といったライフステージの変化に応じて、インフィル等を適切に更新していくことが、住まい手の安心・快適・健康といった暮らしの質の維持や向上につながるためです。リフォームビジネスのポイント● リフォーム事業者にとっても、長寿命化リフォームは  自社のビジネスを活性化させるメリットがあります。● 現在の業務体制をもとに、3つのスキルを強化し  提供できるリフォームの領域を広げていきましょう。

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