「長寿命化リフォーム」の提案 Ⅷ
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56[第3章]「住み替え」のための長寿命化リフォームtopic買い手の不安を払拭する『安心R住宅』 住まい手が持ち家を30年程度で建替えたり、住宅購入規希望者が戸建ての中古住宅購入に躊躇する背景には、そのストックに対してさまざまな不安を抱えていることが考えられます。 多くの消費者が、中古戸建て住宅に対して「不安」「汚い」「わからない」といったイメージを抱いており、住宅購入希望者が関心を示しても、最終的には新築住宅や分譲マンションを購入するといった実態が指摘されています。 こうした消費者の中古戸建て住宅に対するネガティブなイメージを払拭しない限り、中古戸建て住宅の流通は進んでいきません。その有効な解決法のひとつに長寿命化リフォームも数えられます。 国土交通省は、消費者に中古住宅を安心して選んでもらえるよう、『安心R住宅』として2017年秋から制度化する予定です。 まず、「不安」の払拭については、耐震性を有することと、建物状況調査(インスペクション)の実施により構造上の不具合や雨漏りが認められず、購入予定者の求めに応じて既存住宅売買瑕疵保険を付保できる用意がなされているものであることを『安心R住宅』の商標を付与する要件としています。 「汚い」イメージの払拭については、基準に合致したリフォームによって「汚い」イメージが払拭されていること、リフォームを実施していない場合には参考価格を含むリフォームプランの情報を付すなど、買い手が「きれい」になることをイメージできることが求められます。 そして、「わからない」イメージの払拭については、新築時や過去の維持管理の履歴、保険・保証や省エネに関する情報等について事前に情報収集を行い、それらの書類や資料、情報の有無を明示します。これにより、消費者は、購入やリフォーム時に必要とされる情報の有無が物件購入前に確認できるというわけです。 このように、「不安」「汚い」「わからない」といったイメージの払拭には、インスペクションによる状況調査とリフォームの提案・実施が不可欠であり、中古流通市場におけるリフォーム事業者が果たすべき役割は、ますます大きなものになっていくといえます。表3−3 『安心R住宅』の対象となる住宅の要件「不安」の払拭耐震性●耐震性を有すること(新耐震基準に適合)構造上の不具合 ・雨漏り●建物状況調査(インスペクション)を実施し、構造上の不具合及び雨漏りが認められず、購入予定者の求めに応じて既存住宅売買瑕疵保険を付保できる用意がなされているものであること「汚い」 イメージの払拭●事業者団体毎にリフォームの基準を定め、基準に合致したリフォームを実施し、従来の既存住宅の「汚い」イメージが払拭されていること●リフォームを実施していない場合は、参考価格を含むリフォームプランの情報を付すこと●外装、主たる内装、水廻りの現況の写真等を情報提供すること●下記について情報収集を行い、広告時点において情報の有無等を開示のうえ、購入検討者の求めに応じて詳細情報の開示を行うこと新築時の情報●適法性に関する情報、認定等に関する情報、住宅性能評価に関する情報、設計図書に関する情報過去の維持管理の履歴に関する情報(戸建て住宅又は共同住宅専有部分)●維持管理計画に関する情報、点検・診断の履歴に関する情報(給排水管・設備の検査、定期保守点検等)、防蟻に関する情報<戸建て住宅のみ>、修繕に関する情報、リフォーム・改修に関する情報保険・保証に関する情報●構造上の不具合及び雨漏りに関する保険・保証の情報、その他の保険・保証の情報(給排水管・設備・リフォーム工事に関するもの、シロアリに関するもの<戸建て住宅のみ>等)省エネに関する情報●断熱性能に関する情報、開口部(窓)の断熱に関する情報、その他省エネ設備等に関する情報共同住宅の共用部分の管理に関する情報●管理規約に関する情報、修繕積立金の積立状況に関する情報、大規模修繕計画に関する情報、修繕履歴に関する情報   ●団体毎に任意で実施するその他流通支援の取り組み等の情報『安心R住宅』の商標を得るためには耐震性とインスペクションの実施等が要件となっています出典:国土交通省資料「「住みたい」「買いたい」既存住宅の流通促進に寄与する事業者団体の登録制度(=『安心R住宅(仮称)』)(案)について」「わからない」 イメージの払拭「有」「無」「不明」の開示が必要な項目その他

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