「長寿命化リフォーム」の提案 Ⅷ
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50[第3章]「住み替え」のための長寿命化リフォーム住宅の現況を把握するためのインスペクションの実施が有効 売り主として、売買価格の設定や売却後のトラブルを避けるために売買する住宅の状態をインスペクションにより把握することは有効です。 一方、買い主にとっても、購入する住宅に瑕疵がないか等を購入前に確認しておくことは、購入後のトラブルや後悔を回避するために重要です。売り主が売買前にリフォームを行う場合消費者ニーズ(マーケット)を的確に把握したリフォーム実施が有効 売り主の住宅売買に関するコンサルタントとなる事業者には、売買時点の住宅市場(市場の消費者ニーズ)を的確に把握した提案能力が求められます。 また、売却前のリフォーム工事に要した費用分が売却価格に反映されるとは限らないため、希望売却価格で早期に売却できるようなターゲット(購入見込み者)を想定した上でのリフォーム提案が求められます。購入者の嗜好にあわせた簡易リフォームが可能な余地の準備 売り主が売却前にリフォームを行う場合、売却価格を少しでも高くするために、汚れている箇所を修繕する化粧直し程度のリフォームを行うことが一般的に行われています。それに加えて、耐震性能が不足している住宅等において、住宅の性能を向上させることにより市場における優先度が増す可能性があります。 そのような費用が高いリフォーム工事を行う場合、仕上げ材の工事は購入者に行ってもらうなど、購入者の嗜好にあわせて購入後に簡易リフォームが可能な余地を残しておくことで、購入者が自分好みの空間にしつらえることが可能になります。これは、売り主・買い主双方が無駄な費用をかけずに住宅を引き継ぐ有効な手段といえるでしょう。買い主が購入後にリフォームを行う場合施主のライフステージに応じたリフォーム提案(資金計画も含む)が有効 購入後にリフォームを実施する場合には、これからの住まい手である購入者が希望する住まい方をヒアリングにより適切に把握し、それらをリフォーム計画に反映させることが何よりも重要となります。 また、「住み続け」の場合も同様ですが、将来の住まい方の変化を見据え、リフォーム後の生活に支障をきたさない資金計画を含めたリフォーム提案が求められます。長期に住宅を使用できるためのリフォーム提案 住宅の購入した直後にリフォーム工事を行う場合には、居住前であるため、居住後では制約がかかってしまう大規模な工事を実施することが可能です。 このため、建物調査を行い、住宅の状況を把握した上で、長期に住宅を使用できるための長寿命化リフォームを検討することが有効です。(共同住宅の場合)専有部分・共用部分の違いによりリフォームできる箇所が異なる等の情報提供 共同住宅は専有部分と共用部分に分けられ、多くのマンション管理組合では、共用部分(屋外に面する窓や玄関扉など)のリフォームを管理規約で制限している場合があります。 このため、リフォームを計画する際に、今後のリフォーム時における注意喚起を含め、このような情報を購入者に提供・説明することが重要です。2 「住み替え」リフォームビジネスの実践ポイント住み替えのための長寿命化リフォームを実践するときの留意点を紹介します

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