「長寿命化リフォーム」の提案 Ⅷ
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30[第1章]ストック型社会における長寿命化リフォームの重要性国が定める3つのインスペクション 「インスペクション」といわれるサービスには、中古住宅売買時の検査のみならず、新築入居時の検査やリフォーム実施時の検査など多くのものが存在します。また、目視等を中心として住宅の現況を把握するために行われる基礎的なインスペクションでは、検査等を行う者の技術力や検査基準等が事業者ごとに様々な状況にあります。 そこで、国土交通省では、平成25年6月に『既存住宅インスペクション・ガイドライン』を策定し、インスペクションを次の3つに分類したうえで、検査方法やサービス提供に際しての留意事項等に関する指針を示しています。(図1−26)●既存住宅に係る一次的なインスペクション…目視や非破壊調査で構造安全性や日常生活に支障があると考えられる劣化事象の有無を把握●既存住宅に係る二次的なインスペクション…破壊検査も含めて劣化の生じている範囲や不具合の生じている原因等を特定●性能向上インスペクション…リフォーム前後の住宅性能を把握一次的なインスペクションの利用場面 既存住宅に係る一次的なインスペクションは、「既存住宅の売買時の調査」「既存住宅売買瑕疵保険の検査」「長期優良住宅化リフォーム推進事業の事前インスペクション」に利用されています。長寿命化リフォームとインスペクション 長寿命化リフォームを実施する前に行うインスペクションでは、工事前であるため破壊検査を伴うインスペクションが可能です。住宅を長期に使用するためにも、より精密な耐震診断、雨漏りや劣化・不具合箇所、またその原因を特定するためのインスペクションを実施し、建物の現況に関する精緻な情報に基づいて、長寿命化リフォーム計画をつくることが望ましいといえます。(調査の具体的内容は、24・25ページの「②建物調査」を参照) また、長寿命化リフォームの実施後には、計画どおりのリフォームができている(できた)かについてリフォーム中やリフォーム後に確認し、その記録を残すことが有効です。 これらのインスペクション結果は、住まい手に提供し保管・蓄積することで、リフォームを行った住宅の適正な評価につなげることができ、また、今後のリフォームや売却する際にも役立てることができます。 売買や住宅性能の向上を図るリフォームを行うにあたって、インスペクションの重要性がますます高まっています。インスペクションに関する技術者の資格を取得するほか、リフォームに役立てることのできるインスペクション技術を身につけ、活用していくことが求められています。● 性能向上リフォーム実施時や中古住宅売買時にインスペクションを行い、  住宅の現況を把握することの重要性が高まっています。● リフォーム工事前の現状把握と不具合箇所・原因の特定、  リフォーム工事後の工事内容の確認と工事が適切に完了したことの記録  などにインスペクションを活用できます。2-3 インスペクションの意義と役割性能向上リフォーム等の工事を行う際にインスペクションの重要性が高まっていますここがポイント!

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