「長寿命化リフォーム」の提案 Ⅷ
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28[第1章]ストック型社会における長寿命化リフォームの重要性長寿命化後も維持管理を忘れずに 長寿命化リフォームを行えば、それで終わりというわけではありません。 長寿命化リフォームの実施後も、定期的な点検や計画修繕・リフォームの実施など長期的な維持管理の継続が欠かせません。経年による劣化が進むと大規模な修繕を要するため、主要な部位を定期的に点検し、問題箇所を早期に発見することが、劣化速度を遅らせ、性能の維持につながります。 住宅の部位別の更新時期とその費用の目安は、図1−24に示すとおりです。部位や仕様によって点検や更新時期は違いますが、こうした維持管理に関する情報を長寿命化リフォームの提案と併せて住まい手に示すことで、居住者等の維持管理意識が高まることにもつながっていきます。 リフォーム事業者は、リフォーム後も1年〜数年ごとに住まい手宅を訪問し、点検を行うようにします。その際、部位ごとに点検項目や点検周期などをチェックシートにしてマニュアル化し、不具合の典型例を蓄積することが効果的です。記録の保管・蓄積が、住まい手の住宅に対する理解・意識を高める 定期点検や修繕・リフォームの記録(履歴情報)は、以後の維持管理や修繕・リフォームを合理的に行うために必要となるため、時期、部位、および仕様等を書面に保管・蓄積することが重要です。 この「履歴情報」とは、住宅の設計、施工、維持管理、権利および資産等に関する情報のことをいいます。これは、いつ、だれが、どのように新築や修繕、改修・リフォーム等を行ったかを記録した、住まいの「履歴書」といってもいいでしょう。(表1−9) こうした履歴情報は事業者側のみが保管するのでなく、住まい手と共有することで、現況にあわせたメンテナンスを行うことが可能となります。また、これは、住まい手の維持管理やリフォームに対する理解や関心にもつながっていきます。履歴情報付きの流通でメリットも これまでの中古住宅流通においては、一定年数が経過した住宅はその評価が土地価格主体であり、適切に維持管理されて性能が確保されている住宅であっても、建物の価値が適正に評価されないことが見受けられました。 最近では、住宅性能や履歴情報に基づき中古住宅を適正に評価しようという動きが、不動産流通業界から出てきました。公益財団法人不動産流通近代化センターの「価格査定マニュアル」は、2014年3月に国土交通省が示した「中古戸建住宅に係る建物評価の改善に向けた指針」を受けて2015年に改訂されており、基礎・躯体について、劣化状況の判定や、日常の点検・補修状況が価格査定に反映できる仕組みとしています。 自動車に車検証や整備記録簿が欠かせないように、住宅においても新築段階や維持管理段階の履歴情報の蓄積は不可欠なものです。所有者が交代しても履歴を引き継ぐ 住宅を長期間使っていくこれからの時代においては、ひとつの住宅を複数の世代にわたって住み継いでいくことになります。長寿命化リフォームを行った住宅は長期の利用を想定している住宅ですから、その住宅が存在する期間には、相続や中古流通による所有者の変更が発生します。 図1−25に示すように、長寿命化リフォームを行った当初居住者のAさんは、長期利活用計画に基づいて定期点検や計画修繕、リフォームを行っていきます。そして、AさんからBさんに住宅を売却した場合には、新たな所有者となるBさんに長期利活用計画を適切に引き継ぎし、その後はBさんが継続的な維持管理を行っていきます。【第3段階】長期利活用計画に基づく維持管理やリフォーム長寿命化リフォーム後の維持管理、流通のあり方②中古住宅流通①維持管理・リフォーム③新所有者による全体計画 住宅履歴情報 の蓄積・活用④

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