「長寿命化リフォーム」の提案 Ⅷ
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21長寿命化リフォームの技術と手順長く愛されるデザイン・街並みとの調和 住宅を長期にわたって利用していくためには、性能面の追求ばかりではなく、住まい手や地域にその住宅の歴史や住宅に対する愛着を引き継いでもらえるように配慮するという視点が大切です。 そのためには、リフォームが建物の外観にも及ぶ場合には、そのデザインについても長い年月に耐える質の高いものとしていく必要があります。地域性や歴史性への配慮 国土が南北に長い日本では、気候風土にも大きな開きがあり、住宅の様式や住文化についても地域それぞれの特色があります。 地域で歴史的に育まれてきた住宅様式は、気候風土への適応や、街並み・集落景観、地域の建材や建築技術を使用しているなど、環境との調和などから、今あらためて見直されています。また、こうした歴史性を備える住宅が、今でもまだ街並みとして残っている地域もあります。 住宅を長期に使用していく長寿命化リフォームの時代においては、こうした地域で培われてきた住宅様式・住文化・歴史に、あらためて学ぶべき・取り入れるべきことはないか考え直してみる必要もありそうです。  住宅性能以外に必要な視点地域性への配慮や、歴史や愛着が引き継がれる住宅にするなどソフトの視点も不可欠です国産材や地場建材・伝統技術の活用 住宅産業を取り巻く課題は様々です。国産材や地場産材の消費低迷や、地域の伝統的な技術や、継承する職人の衰退などの課題もあります。 時代が成熟期を迎えるなかで、住まい手も安さばかりでなく本物志向へと意識が変化してきています。新築時には、家を建てるという「一大事業」に目を奪われ、どちらかというと関心が向かわなかったこうした本物へのこだわりを、リフォーム時には引き出すことができるでしょう。 ストック時代の住宅に求められるのは、耐久性など基本性能が優れていることはもちろんですが、様々な家族が暮らすことに対応できる柔軟性や、歴史を重ねて味わいを増して末永く愛されるような住宅としていくことが求められます。 住宅性能だけでなく、これらの配慮を行った住宅は、他の住宅との差別化を図ることができるという点からも、将来の中古住宅流通を視野に入れた社会資産として末永く愛される住宅としての価値をもつものになるといえるでしょう。住宅とひとくちに言っても様々な背景を持ち合わせています

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