「長寿命化リフォーム」の提案 Ⅷ
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14[第1章]ストック型社会における長寿命化リフォームの重要性リフォームで長期優良住宅に準じる性能へ 平成28年、増改築に係る長期優良住宅の認定制度の運用が開始されました。長寿命化リフォームによる既存住宅の性能向上の目標の検討にあたっては、表1−1に示した長期優良住宅の認定基準を拠り所として、必要な仕様や性能を高めていくことが考えられます。長期優良住宅の認定基準には、共同住宅等を対象として設けられた基準がありますが、基準設定の考え方は戸建て住宅についても参考になるものといえます。 前節で解説した長寿命化リフォームの考え方は、住宅性能の向上とあわせて、住まい手の生活の質の向上を図るというものでした。これに加えて、住宅の使用期間が長くなるため、長寿命化リフォームでは、維持保全計画や長期使用イメージ等の検討・更新という視点も重要になります。住宅性能を高めるリフォームを これまで、「リフォーム」は、軽微な設備機器の修繕や交換から増改築まで、幅広く呼ばれてきました。リフォームのタイプを目的・内容別に整理すると次のように分類できます。(1)メンテナンス・修繕・設備更新⇒居住を継続するための基本的な性能・機能を維持・回復する手段であり、長寿命化リフォームの主な要素となるものではありません。(2)模様替え・増改築など⇒住まい手のニーズの変化にあわせた更新・生活改善を目的としており、住まい手のライフステージ・ライフスタイルの変化等に対応するための改善であり、その一部は長寿命化リフォームの要素となります。(3)性能向上⇒新築時から時代を経たことによる要求性能(例:耐震基準や長期優良住宅認定基準など)の向上などに対応して、その性能水準に引き上げる、改良することを想定しており、住宅の長寿命化のためには欠かせない要素です。 つまり、長寿命化リフォームでは、主に「(2)模様替え・増改築など」と「(3)性能向上」を適切に考慮して計画に反映することが必要です。長寿命化リフォームで備える住宅性能 図1−15は「建物の劣化のタイプ」と「長寿命化リフォームを支える個別性能・技術」の関係について整理したものです。 建物の劣化については「経年劣化(物理的劣化)」「機能的劣化」「社会的劣化」の3つがあるとされています。建物を長期にわたって使うためには、これらの劣化対策を適切に行うことが求められます。特に、劣化部の修繕・更新や劣化の進行を遅らせるための措置を行うことが有効となります。(16〜20ページに、長寿命化リフォームで備える住宅性能として、「①耐久性能」「②耐震性能」「③省エネルギー性能」「④バリアフリー性能」「⑤維持管理・更新の容易性」について整理します。)2-1 長寿命化リフォームで備える住宅性能長寿命化リフォームは、既存住宅に長期優良住宅に準じる性能を付与するものです2 長寿命化リフォームの技術と手順● ストックの長寿命化のためには、機能回復にとどまるリフォームでなく、  性能向上の視点が欠かせません。● 長寿命化リフォームでは、「長期優良住宅」の認定基準に準じて、  既存住宅の性能向上をめざします。ここがポイント!

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