「長寿命化リフォーム」の提案 Ⅶ
76/180

70第2章 住まい(居住中・これから住む家)を長寿命化するためのリフォーム消費者は相談窓口を一元化したい ストックの利活用や長寿命化リフォームに向けては、多様な専門的な技術や機能・職能が必要となっています。単に設計や施工を実施するだけでなく、その前後の工程で、さまざまな相談や企画・サービス等の提供が必要になっています。多様化・複雑化したこれら全てのメニューについて、工務店やリフォーム事業者等が1社で担うことはかなり困難なことといえます。 一方で、居住者や空き家所有者等は、相談やリフォームの検討等を可能な限り1つの窓口(1社)で行うことを志向する傾向にあり、多様な技術・機能等を備えたワンストップサービスを提供することが可能な体制を構築していくことが求められています。 これからのワンストップサービスや異業種との提携において、求められていくメニューや提携先が、図3-6になります。 「工務店・リフォーム事業者」と「不動産会社・仲介業者」のコラボレーションは、ワンストップ化の代表例でしょう。「住み継ぎ」の例に見られるように、中古住宅購入とリフォームは今や一体的な実施が重要になっており、両者の連携が欠かせなくなっています。 工務店や住宅会社の場合、自社に不動産仲介部門があれば社内でワンストップ体制が構築できますが、そうでない場合、近隣の不動産会社との提携が不可欠なものになっていきます。不動産会社のアドバイザーに 遺産相続等で土地や建物を取り扱う場合、消費者は相続や売却等の検討や相談のため、工務店より先にまず不動産会社に相談するケースが多いとされます。しかし、不動産会社は不動産流通のプロであっても、リフォームや利活用提案のプロではありません。不動産会社が相談等を行っていく中で、具体的な利活用方法や長寿命化に向けたリフォームの提案等がほとんどなされないと想定されます。そのため、工務店やリフォーム事業者等、建物のプロが不動産会社にアドバイザーとして機能する余地が多々あるといえます。 一方で、近年は中古住宅の売買に際してリノベーションを企画・提案する不動産会社も見られるようになるなどの動きも出てきました。 今後は、工務店、不動産会社、設計事務所等を核としながら、居住者・所有者・家主等に対して所有する住宅の利活用方法等に関し、多様な選択肢を提供するサービスを展開していくことが長寿命化リフォームにとって重要となります。つまり、工務店やリフォーム事業者は、不動産会社にとっても欠かせない提携相手になるといえます。 「住み続け」「住み継ぎ」「空き家活用」等、居住者等のニーズによって必要となる技術・職能は異なります(表3-3)。そのため、相談を受けた事業者がそれぞれのケースにおいて適切に対応できるよう、ネットワークを日常的に構築していくことが有効となっていくことでしょう。3-4 住まい手本位のサービス体制の構築不動産業だけに留まらず、多彩な職能との提携による住まい手本位のサービスが不可欠になっていきます●ワンストップサービスも、ただ不動産会社と提携するだけでなく、 付帯するさまざまなサービスの提供が求められていきます。●不動産会社は中古住宅の現状性能をチェックできません。 それゆえ建築のプロとして、彼らのよきアドバイザーになり得ます。ここがポイント!

元のページ 

page 76

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です