「長寿命化リフォーム」の提案 Ⅶ
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58第2章 住まい(居住中・これから住む家)を長寿命化するためのリフォームより丁寧なヒアリングと建物調査を 「住み続け」のリフォームは、住まい手が引き続き安全・安心・快適に暮らしていくためのリフォームが主になりますから、進め方において一般的なリフォームとさほど変わるところがありません(図2-1)。 ただ、間取りや設備交換、内装の改装といったインフィルだけの工事でなく、構造部の抜本的な性能向上が加わり、また工事金額も高めとなりがちです。 そのため、住まい手への丹念なヒアリングや綿密な建物調査など、一般のリフォームより丁寧なアプローチが欠かせません。また、長期使用を可能にするためのリフォームとするので、将来にわたってどのような使い方を目指していくか、維持管理計画や将来に向けての長期利活用計画も検討・提示するなど、より総合的な取り組みが必要になってきます。新たな住まい手に我慢をさせない 冬場の寒さ、狭くて使いづらい台所、段差の多い浴室…。古い住宅ほど、現在当たり前になっている住宅性能が不足しており、長寿命化リフォームによって暮らしにくさを抜本的に解消できるよい機会になり得ます。表2-1は、「住み続け」におけるリフォームのポイント例ですが、一般のリフォームのアプローチとさほど変わりません。 結婚等によってその家で暮らす家族数が増えたり、親の家に子ども世代が移ってくるような場合、そこに以前からの住まい手がいるためか、大きなリフォームを実施せず、最低限の改修で対応するようなケースが見られます。 概して親の世代は、不足する住宅性能や使いづらさに対して「自分たちだけなら」と我慢する傾向があったりします。しかし親子や親戚間であっても、求める住宅性能や間取り、設備や内装、デザイン等は大きく変わってきます。 とくに新たな家族が加わるような機会は、それまでの不満点を一気に解消することで、元から住んでいた方、新しい住まう方それぞれが快適に暮らせる空間を提供することが大切です。歴史性の継承、愛着への配慮も 「住み続け」によるリフォーム工事は、所有者が自分の家をより暮らしやすくするためにリフォームを実施したり、親世代から子世代に承継するようなリフォームなどが考えられます。住まい手が大きく変わるわけではないので、歴史性や愛着に配慮したリフォーム提案が有効です。 「住み継ぎ」の場合、リフォームによって前所有者の生活感を払拭することが求められますが、「住み続け」の場合は、建て主の思いやこれまで使われてきた歴史性、建物が持っている風合い等を積極的に活かすアプローチがむしろ大切といえます。2-1 「住み続け」リフォームへのアプローチ親子や親戚間であっても、求める住まいは違ってきます。住まいの歴史性や愛着にも配慮したいもの2 「住み続け」のためのリフォーム●「住み続け」のためのリフォームは、 一般のリフォームとほぼ同じアプローチで進められます。●親世代から子世代に承継するようなリフォームは、住宅性能の向上と共に、 そのストックの歴史性や愛着を引き継ぐことも検討していきましょう。 ここがポイント!

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