「長寿命化リフォーム」の提案 Ⅶ
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50第1章 長寿命化リフォームの概要住宅履歴情報とは 住宅履歴情報とは、住宅の設計、施工、維持管理、権利および資産等に関する情報のことをいいます。いつ、だれが、どのように新築や修繕、改修・リフォーム等を行ったかを記録した、住まいの「履歴書」といってもいいでしょう。 住宅を長期間使っていくこれからの時代においては、ひとつの住宅を複数の世代にわたって住み継いでいくことになります。また、住宅を長持ちさせるには、最初に耐久性の高い住宅をつくるだけでは不十分です。長期にわたって、点検や修繕等の維持管理をきちんと行っていくことが必要になります。 住宅の維持管理を適切に行うためには、その住宅がどのように設計、施工され、どのような修繕、改修・リフォームされたかという「住宅履歴情報」が不可欠です。 表2−21に、住宅履歴情報に備えるべき情報について整理しています。新築段階の図面や性能に関わる資料のほか、維持管理段階の修繕、改修・リフォームについての工事に係る書類や図面なども蓄積します。 住宅履歴情報がある家と、ない家ではどんな違いがあるのでしょうか。その活用のメリットについて、図2−19に整理しました。第一に計画的に維持管理するうえで役立ちます。また、設計やその履歴がわかっていれば合理的なリフォームを行うことができます。さらには、住宅を売買するときに、図面や維持管理状況の情報が揃っていれば資産価値が適正に評価される……などのメリットがあります。長寿命化リフォームを切っ掛けに整備を 2010年に一般社団法人住宅履歴情報蓄積・活用推進協議会が設立され、住宅履歴情報・愛称「いえかるて」の普及推進がはじめられました。 住宅履歴情報は、新築からでないと備えられないものとは限りません。既存住宅でも、定期点検やリフォームなどを切っ掛けに、図面がある場合はそれを入手し、無い場合は間取りを採寸して改めて図面を作成します。また、これに加え、点検や修繕・リフォームの記録を蓄積していきます。 とくに長寿命化リフォームを行う際には、これを切っ掛けに住宅履歴情報を整えることが求められます。 住宅履歴情報については、住宅の所有者自身が保管する方法と、情報サービス機関に保管を依頼する方法の2つの方法があります。情報サービス機関を利用することで、住宅履歴情報を紛失したり、傷んで読めなくなったりといった心配がなくなります。また、情報を活用する際には、必要に応じてプライバシーを守りながら情報の提供を受けることが可能です。(図2−20)◆住宅の長寿命化には、住まいの「履歴書」=住宅履歴情報が不可欠です。◆住宅履歴情報には、その住宅がどのように設計、施工され、 どのような修繕、改修・リフォームが行われてきたかが記録されます。◆住宅履歴情報の有無によって、計画的な維持修繕、資産価値の 適正評価などに差が生じる場合があります。履歴情報の蓄積・保管住宅履歴情報「いえかるて」ここがポイント!

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