「長寿命化リフォーム」の提案 Ⅶ
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42第1章 長寿命化リフォームの概要◆住まいの長寿命化を進めるうえで、耐震化は極めて重要な要素です。◆耐震改修工事の実施にあたっては、「150万円」という金額が ひとつの目安になっているものと考えられます。◆耐震に関する技術や工法は数多く開発されていますが、現在も筋交い、金物、 構造用合板、壁補強用面材など、広く普及している工法が主流となっています。◆耐震性能向上リフォームは、住まい手に耐震の重要性を理解してもらい、 省エネ・断熱化などその他の性能向上リフォームと併せて、 複合的に進めていくことが合理的です。性能向上リフォームのポイント(1)耐震性能向上リフォーム耐震改修工事の重要性と費用等の壁 地震大国であるわが国では、住まいの長寿命化を進めるうえで、住まい手の生命と財産を守り、暮らしの安全・安心を築くためにも、耐震化を図ることが極めて重要です。 一般財団法人日本建築防災協会による調査(図2−14)では、耐震改修工事の費用は「100〜150万円未満」が最も多くなっており、耐震改修工事の実施にあたっては「150万円」という金額がひとつの目安になっているものと考えられます。 実態としては、耐震改修の普及にはまだまだ課題があります。国土交通省による「中古住宅・リフォームトータルプラン」検討会の調査でも「耐震改修費用にかけても良い費用」という質問で「50万円未満」という回答が半数を超えるなど、実際に耐震改修にかかる費用とはギャップがあります。補助金などで多少手の届きやすい費用になったとしても、工事が大がかりになるため二の足を踏む住まい手もおり、普及に向けてはさらなる取組みが求められます。住まい手の理解を求める努力を 耐震リフォームを進めるには、耐震だけを考えていてもなかなかうまくいきません。 住まいの老朽化、家族構成の変化、新たな住宅の取得など、さまざまな動機によるリフォームをきっかけとして、そのタイミングで住まい手に耐震の重要性を理解してもらい、省エネ・断熱化などその他の性能向上リフォームや耐久性の向上等と併せて、複合的に進めていくことが合理的です。 当協議会が実施した事例調査でも、一戸建ての大規模なリフォームの場合には耐震診断を実施したうえで耐震補強を提案することを標準的に行ったり、実際の耐震補強工事の施工現場(施工中、施工後)を住まい手に見てもらったり、模型等で説明したりするなど、住まい手にわかりやすく理解してもらおうとする工夫が見られました。「耐震+省エネ・断熱化」を一体として積極的に行おうとする取り組みも見られます。 なお、耐震改修の実施にあたっては、精度の高い耐震診断を行い、その結果に基づく適切な耐震計画を立案することが重要となるため、診断および計画に関わる担当者がしっかりとした技術を身につけることが重要です。 さらに、広く普及している工法であっても、品質を担保するために、現場で確実な施工がなされるように徹底する地道な努力も求められます。ここがポイント!

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