「長寿命化リフォーム」の提案 Ⅶ
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34第1章 長寿命化リフォームの概要不満点や要望、将来の使い方を確認 長寿命化リフォームの相談や依頼を受けたら、調査や企画等の前に、まず住まい手からのヒアリングを実施します。こうしたステップは、一般的なリフォームとさほど変わりません。 まず、リフォームを検討した動機や目的をうかがいます。現状の建物や間取りに対する不満や要望をうかがい、ふだん感じている不具合、不満点、改善したい内容等をチェックします。 次いで、リフォーム後の暮らし方のイメージを確認します。この時、単にどう暮らしたいかだけでなく、数十年単位で誰がどう使っていくのか、現時点の意向で構わないので、将来の利活用イメージを把握していくことが長寿命化リフォームの企画や検討にあたって大切です。 予算の確認も重要です。長寿命化リフォームは一般のリフォームより高額になりがちのため、資金計画について確認することが大切です。目視中心の建物調査 長寿命化リフォームを行うにあたって、居住者等が考える目先の不具合解消だけを行うのでは、十分とはいえません。ここで、住宅の客観的な状況を捉え、長寿命化リフォームを実施するか、一般的なリフォームに留めるかを居住者等に提案するために建物調査を行うことが必要となります。 調査は大きく、目視やヒアリングを中心とした「基本調査」と、計器類を使用して精密調査を行う「精密調査」とにわけられます(図2−11)。長寿命化リフォームにおける建物調査では、まず半日程度で行う基本調査を実施し、より詳細な検討を要する場合には精密調査を実施します。 基本調査の実務イメージは、表2−10のように整理できます。 なお自社での調査が難しい場合や、第三者による診断を求められた場合には、建物診断の専門家などと連携して行うことが考えられます。主となる調査項目例 基本調査は、目視調査および建築時の設計図書の確認や、過去の修繕・リフォームの実施状況、居住者等の意向確認などによって進めます。 目視調査では、構造耐力上主要な部分や、雨水の浸入を防止する部位にかかるものを中心に、現況を調査します。調査項目は、住宅瑕疵担保責任保険や住宅性能表示基準などの検査項目を参照し、必要とする項目について調査します。調査項目例を、表2−11に示します。 建物構造部については、基礎の形状、劣化度、天井裏や床下などの構造躯体の現況などを調査します。耐震性能については、建築時期や建築時等の図面上での確認のほか、耐震診断が可能な建築士等と連携するなどして現況を確認します。 屋根や外壁、開口部といった外装部は、定期的な更新が不可欠な部位ですが、雨水の浸入を防止するなど建物の耐久性に関わる部位となるため、建物構造部に準ずる部位として扱い、劣化や不具合、雨水浸入の有無等について確認します。 内装部については、劣化や不具合の有無を調査します。これに併せて、給排水設備や給湯設備といった設備機器の仕様や使用年数等も確認します。先に実施した住まい手へのヒアリングと併せて、居住性の診断材料とします。 なお現況確認を要する場合で、床下や天井裏など隠ぺいされた部位に点検口がない場合は、居住者等の了解を得て目立たない場所に点検口を設けて確認することも考えられます。①ヒアリング⇒②建物調査の進め方【第1段階】長寿命化 リフォーム 全体計画の策定②建物調査④内容・コスト検討③企画⑤全体計画の策定①ヒアリング

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