「長寿命化リフォーム」の提案 Ⅶ
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156[第4章]ストック時代に向けたこれからのリフォームビジネス地域ニーズにマッチした施設を提案 医療福祉施設を中心に、一般住宅・民間建築などの設計・監理・コンサルタント業務を行う、良建築設計事務所。一般住宅や民家などを社会福祉施設等に転用するなど、既存の建物を活用した提案も行っています。 基本的に、福祉事業は社会福祉法人等の事業者が事業検討を開始するものですが、良建築設計事務所では自社で地域のニーズを調査し、転用可能な空き家物件を探して事業計画案を企画し、事業者側に提案しています。 既存建物等を福祉系の事業所とする場合、ほとんどが土地建物を賃貸借によって活用しています。借受期間は原則10年以上としていますが、それは事業の継続性や、改修補助金等の活用を想定しての計画です。安全性の確保と法規対応が不可欠 住宅を福祉施設に転用する場合、立地や規模、連携する施設との距離、築年数、改修の程度、周囲の理解、利用者需要、賃貸借の内容などの条件から、転用への妥当性などを検討します。宅老所の場合、30㎡の食堂・居間が必要となり(10人定員の場合)、その他相談所や管理スペース等を設けることを考えると、建坪が30坪ほどあれば利活用可能といいます。 転用に際しては、リフォームによって必要な間取りや設備の整備はもちろんですが、安全性の確保が欠かせません。土台が基礎に緊結されていなかったり、真壁構造や開口部の多い建物など、構造上の耐力を確保する改修計画が不可欠です。また、建築基準法や消防法など、用途に沿った法規対応も必要です。 安全性についても、高齢者にとっての最低限の安全を考え、2階建てのものであっても1階部分しか使わないようにするなど配慮しています。 「空き家対策に限らず、事業者が自ら地域に参画し、その地域に合った地域や景観づくりの提案を行える環境づくりや、地域と共同で活動する機会を多く持つことが、これからの建築、不動産事業者に求められるのではないでしょうか」(代表の井出良三さん)。2-1 空き家住宅を福祉施設に転用既存の空き家住宅や民家等をコンバージョンによって社会福祉施設など地域に望まれる施設に● 空き家となった住宅や民家を福祉施設に転用● 耐震性や断熱性などの性能をリフォームで付与● 地域内で空き家が適切に活用される環境をつくっていくリフォームビジネスのポイント良建築設計事務所(長野県佐久市)2 空き家再生 ビジネス&サービス

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