「長寿命化リフォーム」の提案 Ⅶ
132/180

126第3章 空き家の利活用と再生のためのリフォーム戸建て住宅をシェアハウスに 昭和36年築の戸建て住宅は、オーナーの住み替えで長らく空き家となっていました。一時期戸建て賃貸住宅として貸し出していましたが、建物の傷みが進んできたことや、将来の相続を見据え、利活用方法について検討することとなりました。 当初オーナーは売却や建替え、賃貸化等を想定していましたが、エリア条件から早期売却が難しいことや、元々住んでいた建物への愛着などもあって、既存建物を生かした賃貸化で進めることとしました。 相談を受けたスペースRデザインは、1、2階合わせて全5戸の「戸建てシェアハウス/アトリエオフィス」を提案。これは、地域ニーズから、学生だけでなくフリーランスの社会人の利用も見込めることのほか、各階とも100㎡を超えない転用に留めることで、法的な問題をクリアするための企画です。 リフォームを実施した後に、オーナーと5年間のサブリース契約で建物を借り受け、同社が賃貸運営を行うこととしました。これにより、オーナーは賃貸管理業務や維持管理等の負担を気にせずに済みます。住宅性能を高めるリフォームを シェアハウス/アトリエオフィスへの転用に当たっては、コスト面と既存建物の風合いを生かし、最小のリフォームに留めています。ただ、ホームインスペクションを実施したところ、建物に傾斜がみられました。建物を長期使用するため、地盤改良を実施したうえで建物の傾きを修正しています。 1・2階を個別の用途で運営するため、動線上1・2階を完全分離するための工事を実施。室内の内階段は撤去し、2階への外階段を新設しました。将来再び一戸建てとして使用する可能性も残し、原状回復できるようにしています。 そのうえで、各階ともシェアハウス/アトリエオフィスの専有個室として使用できるよう、各居室を更新。洋室に変更した部屋は床材を無垢フローリングに交換し、和室については既存畳から琉球畳に変更するなどしています。室内の一部をDIYでリフレッシュさせました。 1階は、キッチンやシステムバス、洗面化粧台、トイレ等の水回り設備機器を更新しました。将来、相続した子ども世代が自己居住できるよう、設備機器は賃貸用でなくハイグレードの設備を導入しています。● 賃貸していた元実家の収益性を高めるため、戸建て住宅を  シェアハウス/アトリエオフィスに転用● 改修費用はオーナーが負担し、事業者が  サブリース形式で運用、オーナーの負担を軽減長寿命化リフォームのポイント3-3 戸建て空き家のリフォーム・再生事例③   築50年超の一戸建てを   シェアハウス/アトリエオフィスにコンバージョン

元のページ 

page 132

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です