「長寿命化リフォーム」の提案 Ⅶ
128/180

122第3章 空き家の利活用と再生のためのリフォーム戸建て住宅の空きフロアを賃貸住宅に 賃貸併用住宅の企画や設計が得意とするビーフンデザイン一級建築士事務所。新築のみならず、既存住宅でも空き室があれば賃貸化するメリットは高いといいます。その理由として、代表の進藤強さんは、①不要な空間を資産化できること、②全体リフォームを実施することでオーナー使用部も性能向上できること、③それら建物全体の再生費用を将来の賃料で賄えること等を挙げます。 既存の住宅を賃貸併用住宅にリフォームするには、「オーナー使用部」と「賃貸ゾーン」それぞれの動線を分ける必要があります。一般的には両者を「階」で分けることが多く、「なかだいのいえ」でも1階をオーナー宅、2階を賃貸空間として企画されました。古さを物件の魅力付けに活かす 建物は、もともと浴室のなかった狭小住宅。増築によって浴室がつくられていましたが、違法建築であったため撤去し、ウッドデッキのテラスに変更しました。 もともとあった玄関を2階への出入り口、勝手口を1階の出入り口に分離し、内階段をなくして1・2階の動線を完全に分離。各戸にトイレやキッチンやバスルームなどの設備機器を入れ換え、床には無垢材のフローリングを敷き詰めました。2階の天井は外断熱化して屋根を葺き替え、内側の小屋裏を顕しに。広がりに加えて建築当初の建材の持つ風合いを出し、新旧素材の融合による新しい価値観を演出しています。「築古のストックには新築物件にない風合いや建材があり、上手に生かしたリフォームを施すことで新築以上の賃料を設定できることもあります」(進藤さん) 黒を基調とした外装は、木製のフェンスと相まって新たな魅力を放っています。 賃貸併用住宅は、二世帯住宅(完全分離型)のアプローチでリフォームが可能です。つまり、二世帯住宅は将来不要になった部屋を転用・賃貸化させやすく、資産化しやすいストックであるといえそうです。● 狭小の戸建て住宅を上下階で分離し、各階1戸ずつの  賃貸住宅に転用● 資産価値を高めるため、耐久性や耐震性に配慮● 新旧の建材を上手に活かし、新築にない魅力付けを行う長寿命化リフォームのポイント3-2 戸建て空き家のリフォーム・再生事例②   戸建て住宅の1階と2階の動線を完全分離。   二世帯化して2階を賃貸住宅として貸し出す

元のページ 

page 128

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です