「長寿命化リフォーム」の提案 Ⅶ
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106第3章 空き家の利活用と再生のためのリフォーム3つのアプローチで利活用を検討 現在空き家となっている住宅ストックの中にも、一定の住宅性能を有し、利活用の余地がある物件は少なくありません。こうした「価値ある空き家」について、地域の実情に応じた利活用の方法を見つけ、実践していくことが、所有や維持管理に悩む所有者の最善の解決策になります。 前ページで紹介した除却を別にすると、空き家の利活用法としては、大きく「住む」「売る」「貸す」の3つになります(表1-6)。どう検討していくか それら「住む」「売る」「貸す」3つの利活用法について、空き家活用の検討フローが図1-6になります。 「住む」とは、所有者が自己居住することを意味します。しかし、現在何らかの理由があって空き家にしているわけですから、自己居住の可能性はそう高くないといえるでしょう。 「売る」は、空き家にしている建物や土地を売却し、第三者に利活用を委ねるということです。空き家を所有しているものの、将来的にも利活用の予定がない場合など、維持管理の負担が軽減できますし、空き家の住宅性能が高いうちに再利用することが資産価値の向上にもつながります。 「貸す」は、空き家をリフォームした後(あるいは改装または現状のまま)、第三者に賃貸することです。賃料収入が得られることで、その建物や土地を手放すことなく資産化できるといえます。 将来自己居住するなどの予定がある場合、使用しない期間だけ賃貸することも可能です。利活用のための積極提案を 空き家所有者の半数近くが、空き家を売却したり賃貸に回すなど何らかの利活用を検討せず、とくに何の対策もとっていないことがわかっています(野村総合研究所調べ。平成27年)。近年見直されつつあるとはいえ、不動産流通市場において中古住宅の建物に対する査定額はまだまだ低く、築年の経った建物は、住むか貸すかしなければ、資産として正しく生かせません。 空き家の維持管理については、8割以上の所有者が何らかの管理を実施しています。しかし、管理費用が月額0~5000円以下で維持しているケースが大半であり、さほどコストをかけていないことがうかがえます(国交省、平成26年調べ)。 このように、空き家所有者の多くが建物の維持や利活用について持て余している現状が浮かび上がってきます。こうした状況に対して、工務店やリフォーム事業者が所有者に利活用や再生について積極提案をすることが、空き家の利活用推進と同時に、不要・危険なストックの除却につながっていくといえます。1-4 空き家利活用のための3つのアプローチ「住む」「売る」「貸す」ことで空き家の利活用を図っていきましょう● 空き家の利活用方法としては、大きく「住む」「売る」「貸す」の  3つのアプローチが考えられます。● 多くの空き家所有者は利活用法についての知識がないため、  具体的な利活用や再生のための提案が求められています。ここがポイント!

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