「長寿命化リフォーム」の提案Ⅵ
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80第2章 住まい(居住中・これから住む家)を長寿命化するためのリフォーム現代的な暮らしやすさを付与する 古民家や町家などの築年の古い民家は、愛すべきたたずまいを持ちながら、「暗い」「寒い」「広い」等の欠点も併せ持っています。また、ライフスタイルの変化によって、求められる機能が変化しているため、現代の暮らしに合わせる必要があります。定年を機に生家に戻られたSさんは大正時代に建てられた古民家をリフォームし、外観はそのままに現代的な性能を獲得しました。 Sさんのご希望は、使いづらくなった台所まわりの改修に併せ、耐震補強をしながら明るく暖かな家にすることでした。 そこで、まず北側の寒くて暗かった3部屋をオープンキッチンに続く茶の間までのワンルームの風の抜けるモダンな空間へと、暮らしの中心を劇的に変えました。 そして、暗かった玄関土間を明るくしたいということから、DKとともに2階床に強化ガラスを用いることで1階までやわらかな光を導くことに成功しました。 また、暖かさについては主要な開口部を複層ガラスに交換し、さらに2階天井裏と1階床下に断熱材を入れた上で、暖房として輻射熱方式のパネルヒーターと床暖房を採用し、室内に温度ムラのない健康的な暮らしが送れるように配慮しました。新旧の良さを併せ持つ空間に 耐震性能については、限界耐力法に基づいて、ダンパーによる制震及び一部内壁・垂れ壁等の強度向上により、建物全体の耐震性を向上。ジャッキアップ等を行わないため、コストを抑えられ、石場建ての民家の特性を活かしながら耐震性能を高められました。 地域固有の景観の保全のために、外観には手を入れていません。自然素材等を活用しながら、キッチンをアイランド型にするなどにより、外観は古民家の風情を完全に残しながら、新たなライフスタイルも提案できました。3-6 「住み継ぎ」のためのリフォーム事例② 大正時代の古民家に 現代的な住宅性能と 居住性を付与●民家の欠点である「暗い」「寒い」「広い」「汚い」を解決●民家の古さを活かした現代的な住まいづくり●限られた予算の中で古民家の耐震改修を実現長寿命化リフォームのポイント改修後も変わらない地域の民家としての佇まいを残しました。住み継ぎ

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