「長寿命化リフォーム」の提案Ⅵ
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76第2章 住まい(居住中・これから住む家)を長寿命化するためのリフォーム低い住宅性能を改善 岐阜県美濃市は江戸時代商人のまちとして栄え、現在も「うだつの上がる街並み」として知られています。市街には江戸から明治にかけてつくられた商家が軒を連ね、国の伝統的建造物群保存地区にも選定されています。 Mさんは、その伝建地区と道一本隔てた街区に生家をお持ちです。リタイヤに際し、終の棲家として戻ることを決心し、今回のリフォームを実施しました。 1階の台所土間をかさ上げしてフロアレベルを他の居室と揃え、隣接する和室1室と一体化し、広いLDKに。寝室やトイレ、洗面所、バスルーム等の水回りは建物を増築し、新たにしつらえました。これらLDKと寝室、水回りを含む生活空間については断熱区画とし、部分的な断熱改修でローコストで断熱性能を向上させました。 寝室や水回りはLDKから直接出入りできるシンプルな動線でバリアフリー化されています。 耐震性能については、隣家との間隔が狭い等の事情があり、建物の外壁内側に耐力壁を設ける形で性能向上させました。基礎も、ジャッキアップせずに敷設する等の工夫が成されています。町家のファサードは維持 室内や庭側の外装は大きく変化させつつも、従前の町家の風情は最大限保全。とくに通りに面したファサード部分については、断熱改修のゾーンから外すことで、手吹きガラスなど昔からの風情が保全されています。格子には写真等を展示できるようにしてあり、まちに開かれた建物として機能しています。 他にも、県産材を採用したり、地元職人による施工を行うなど、美濃のまちにふさわしい外装デザインを残しつつ、地域に溶け込んだリフォーム仕様の選定が行われました。3-5 「住み継ぎ」のためのリフォーム事例① リタイアに伴い 生家に戻ることを機に、 町家を性能向上●リタイアに伴って生家の町家の居住環境を向上●町家全体の耐震性能の向上●道路側からの町家としてのファサードを維持長寿命化リフォームのポイント表通り側のファサード。伝統的なたたずまいを残しました。住み継ぎ

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