「長寿命化リフォーム」の提案Ⅵ
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56第2章 住まい(居住中・これから住む家)を長寿命化するためのリフォーム2-3 ワンストップサービスの概要中古住宅購入とリフォーム窓口を一元化し、住宅取得に伴う全ての業務を自社で請け負う窓口を一本化してユーザーの利便性を図る ほんの数年前まで、中古住宅購入者は、中古住宅購入は不動産会社に相談・依頼、リフォームはリフォーム会社にと、個別に実施するのが一般的でした。しかし、中古物件について不動産会社が性能を保証するわけではなく、消費者は知識が十分でないのに自己責任で購入するしかありませんでした。また、住宅購入費用とリフォーム費用の按分等についても、依頼先が別のため、きちんとアドバイスしてもらいにくい状況にありました。 「中古住宅購入+リフォーム」の一体的な提供は、こうした買い主の煩雑な手間を軽減します。建築のプロであるビルダー・リフォーム事業者や専門の検査機関が建物検査を行うことで、中古住宅に対する不安も払拭できます。中古住宅費用とリフォーム費用を一体的に検討できるなど、投資効果の高い住まいの提供にもつながります。 図2−5は、事業者がワンストップサービスを行う場合の業務イメージになります。物件の現状性能を正しく把握する では、ワンストップサービスの進め方について、ビルダー・リフォーム事業者側から見た流れについて見ていきましょう。 図2−6がワンストップサービスの基本的な事業モデルになります。主に前段が物件取得、後段がリフォームとなりますが、不動産・リフォームの職能を超えた動きが、きめ細やかなサービスとなって買い主である消費者に還元されます。 まず買い主から、手に入れたい住宅の要望をヒアリングし、それに合致する中古住宅を探していきます。工務店の場合、自社に不動産部門があれば情報取得も容易ですが、社内にない場合、近隣の不動産業者と提携し、情報入手に協力してもらいます。 買い主の希望の物件が見つかれば同行して内見に進みますが、その際に重要なのが、建物の現状性能を正しく把握すること。それが後のリフォーム内容につながっていきますし、最終的なコストにも関係するためです。 インスペクションは基本的に目視等による確認が中心になりますが、必要によっては購入前の段階でも正式な建物検査を実施または依頼するなどして、ストックの現状性能を把握します。 それらの情報をもとにリフォームプランを計画していきます。買い主の希望を実現する内装や設備プランも重要ですが、その前に、耐久、耐震、断熱、バリアフリーといった、建物の長寿命化に欠かせない住宅性能を適切に付与することが欠かせません。またローン借入額など無理ない資金計画であるかなどのチェックも不可欠。中古住宅は他の買い主が現れる可能性もあるため、スピーディに進めることも重要です。 買い主がこうした計画や代金等について了解すれば、本契約に移ります。引渡し後のリレーションも重要 ワンストップサービスで使用する住宅ローンは、原則としてリフォーム費用も含む一体型ローンを使うのが一般的です。契約の審査を待つ間にリフォームの準備を進め、ローン契約が完了して買い主が物件を取得した後に、リフォーム工事に入ります。事業者によってサービス範囲もさまざまですが、ローンの申請や所有権移転の登記など、事業者側で行うべき業務は多岐にわたります。司法書士や行政書士、時に弁護士等、さまざまなプロの力を借りるケースも考えられます。 リフォーム工事が無事済んだら引き渡しになりますが、これで業務が完了するわけではありません。以後のアフターサービスもありますし、万一不具合があれば修繕も必要となります。また一連の図書類を一元化して保存・活用する住宅履歴管理も必要です。維持管理や長期修繕計画の提示など、買い主との引渡し後のコンタクトも重要な業務になります。

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