「長寿命化リフォーム」の提案Ⅵ
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48第2章 住まい(居住中・これから住む家)を長寿命化するためのリフォーム目に見えない工事は後回しにされがち リフォームは大きく、建物自体の性能を向上させるリフォームと、内装や設備など、暮らしやすさや快適性を追求するリフォームとに大別できます。目指す目標性能にもよりますが、一般に前者を「性能向上リフォーム」、後者を「通常リフォーム」「従来型リフォーム」などと呼んで区別されています。本書で解説する「長寿命化リフォーム」には、両者のバランスよい実施が欠かせません。 一般に、住まい手がリフォームを検討するのは暮らしにくさの解消を目指すことから始まることが多いものです。そのため、老朽化した設備機器の交換や、内装のリフレッシュ等を目指した従来型のリフォームを希望される方が多いわけです。 こうした方たちにとって、建物自体の基本性能部分はともすれば後回しにされがちです。あるいは、建物自体を性能向上させる必要について気づいていないことも考えられます。 また、耐震性など、目に見えにくい性能についてはリフォーム後の効果を実感しにいこともあって、住まい手は時に必要であると理解していても後回しにしがちであったりと、なかなか実施されにくい状況もあるようです。段階的なリフォームの提案も そこで検討したいのが、「リフォームを1度で終わらせない」ということです。あるいは複数回を前提としたリフォームの提案や実施です。 一度一定規模のリフォームを実施すると、当分もう次のリフォームの依頼は来ないようにも思えますが、実は大きな工事の後でも、さほど時間を空けずに次のリフォームを実施するパターンがみられます。その理由として、右の表1−3のような理由が挙げられます。 これらの理由を類型化すると、予算等の都合で最初から複数回に分けてリフォームを実施する「計画的・段階的リフォーム型」、一度実施したリフォームの仕上がりや使い勝手に不満を感じたため、やり直し的な工事を行う「不満解消型」、逆のケースとして満足感が高かったから、実施していない別の部屋や部位を追加リフォームする「満足感からの発展型」、そして当初は内装中心の一般リフォームを志向していたものの、つくり手側から建物自体の性能向上が必要だと提案され、長寿命化リフォームを実施する「性能向上ステップアップ型」などが挙げられます(図1−4)。 専門家のアドバイスによって工事内容に「性能向上リフォーム」を加えることが、そのリフォームを大型工事化し、長寿命化につなげることが可能になります。どんな依頼内容からであっても、リフォーム事業者は建物自体の性能向上をさせる必要性を住まい手に強く働きかけていくことが重要になります。 内装や設備機器など、目に見える部分をリフレッシュさせることでリフォーム工事の依頼者に満足感を与えつつ、より大きなリフォーム工事にするためには、「長寿命化リフォーム」の啓発を伴った提案が不可欠です。1-3 段階的・複数回リフォームへの誘導リフォームを一度で終わらせないことが、長寿命化リフォームの推進につながります

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