「長寿命化リフォーム」の提案Ⅵ
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46第2章 住まい(居住中・これから住む家)を長寿命化するためのリフォームライフステージの変化は大きな動機 「住み続け」と「住み継ぎ」とでは、リフォームする動機に差異が見られます(表1−1)。 まず「住み続け」ですが、1つの家を主に家族間で使用していくため、住まい手の年齢や家族構成数の変化といった、ライフステージの変化を動機としたリフォームが多いことが分かります。 子どもの人数が増え、また成長していけば、子ども部屋が必要になっていきます。逆に子どもが就職や結婚等で独立すれば、今度は部屋が余り、新たな間取りにすることが必要になったりします。その子どもが親との同居を希望すれば、同居や二世帯住宅などのためのリフォームが必要になるかもしれません。 世帯主である住まい手本人も、加齢や身体状況の変化によって必要な住宅性能は変わっていきます。親から子どもへと世代交代が起きると所有者も変わり、また別の使い方が検討されることでしょう。その頃には建物自体が相当劣化してきている可能性も高く、大規模な修繕が必要になっているかもしれません。 このように、「住み続け」は、住まい手のライフステージの変化がリフォーム需要に直結しているといえます。ストックに対する不安を払拭したい 対して「住み継ぎ」は、1つの住宅を第三者間で利活用していくスタイルのため、リフォームの動機や実施されるタイミングが大きく異なっていきます。原則として所有者が変わることで、大小何らかのリフォームが実施されるともいえます。 就学や就業など、家族の社会環境の変化等に伴い、新たな家に住み替えるケースは多く、これもライフステージの変化を動機としたリフォームといえます。 また、目指すライフスタイルを実現するため、元の家でなく新たな家に住み替えるケースも多く、そうした住まい手は間取りはもちろん、内外装や仕様などさまざまなリフォームの動機がうかがえます。 加えて、「住み継ぎ」はこれまでとは別の新たな家に住まうことですから、その建物に対する性能的な不安を心理的に抱えます。そこで、建物性能を向上させるための長寿命化リフォームを実施したいという意欲も強いようです。 こうした、「住み続け」「住み継ぎ」という暮らし方、住まいの使い方によって動機が違っているということは、満足感の高いリフォームを提案するために知っておくべきでしょう。元施工へのリフォーム依頼が少ない事実 「住み続け」に関しては、新築時に依頼した施工会社があるものの、リフォーム時にその業者に依頼しないというケースがかなりあるようです(表1−2)。事業廃止や移転等であればやむを得ないともいえますが、自社で手掛けた住宅をその後もケアしていく姿勢は、その建物を一番熟知している立場として不可欠であり、またビジネス面からも重要です。リフォームにおいても、1つの工事を契機に、住まい手と長期的な関係を構築していきたいものです。1-2 リフォームの動機の再確認「住み続け」「住み継ぎ」によって、リフォームする動機に違いがあります

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