「長寿命化リフォーム」の提案Ⅵ
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44第2章 住まい(居住中・これから住む家)を長寿命化するためのリフォーム多彩になってきた日本人の住まい方 高度経済成長時代、多くの日本人の夢は一軒家の持ち家を取得することでした。「住宅すごろく」で例えると、親元から自立して賃貸アパート暮らしがスタートなら、その“上がり”は結婚後、郊外の庭付き一戸建てを購入することでした。 しかし日本人の働き方や暮らし方が多様化した昨今、誰もがこうした考え方を持つわけではなくなっています。概して日本人は持ち家志向が高いといわれますが、1つの家に延々と住み続けるだけでなく、暮らし方に応じて住まいを移るといった住み替えも増えています(図1−1)。 第1章で解説したように、これまでの木造住宅の平均寿命は30年弱でした。この程度の期間であれば、住宅は1代限りのものと割り切り、好きな使い方をしてもよかったでしょうが、長寿命化リフォームによって耐久性を獲得した住宅は、リフォーム後も数世代にわたって活用することが前提となります。家の使い方やリフォームについても、おのずと変わってくるといえます。「住み続け」と「住み継ぎ」 さて、「長寿命化リフォーム」は、リフォームを行うユーザーの目的から、《「住み続ける」ための長寿命化リフォーム》と《新たな居住者に「住み継ぐ」ための長寿命化リフォーム》に分けられると考えられます。 「住み続け」「住み継ぎ」の暮らし方のイメージが、図1−2になります。これは住まい手の立場からそのイメージを示したものですが、これを1軒の家=ストック側からみた利活用のイメージが、図1−3になります。 長寿命化リフォームにおける「住み続け」と「住み継ぎ」のイメージは、以下になります。●「住み続ける」ための長寿命化リフォーム 住宅の劣化度合いに応じた適時適切なリフォーム工事を実施することにより、長年にわたって住宅に快適・健康に住み続けるための長寿命化を実現するリフォームです。▶本書で整理する事例は、高額な工事費用をかけて住宅の長寿命化を図るリフォーム工事のほか、一般的な収入の世帯でも、維持管理意識の向上やリフォーム検討意識の喚起につながるような少額リフォーム工事も視野に入れて収集しました。●「住み継ぐ」ための長寿命化リフォーム 適正なリフォーム工事を行った既存ストックの流通(流通後にリフォーム工事を実施する場合も含む)を促進させることにより、新たな居住者に社会ストックとしての住宅を住み継ぐための長寿命化を実現するリフォームです。▶本書では、持ち家の一次取得層も視野に入れ、若年層でも購入可能な価格で流通する中古住宅事例(リフォーム工事実施済み物件を流通する場合と、住宅購入後にリフォーム工事を実施する場合)に関する情報を収集しました。 持ち家を長寿命化するためのアプローチとして、以後、これら「住み続け」「住み継ぎ」2つの視点をもとに解説していきます。1-1 「住み続け」「住み継ぎ」2つのストック承継形態1つの住宅を住み続けていくか、暮らしに合わせて住み替えていくか1 「住み続け」と「住み継ぎ」の視点

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