「長寿命化リフォーム」の提案Ⅵ
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30第1章 長寿命化リフォームの概要建物構造部の強化と性能向上 前項の【第1段階】での検討によって長寿命化リフォームを実施することとし、計画が策定できたら、次は【第2段階】として設計・施工のステップに移ります。長寿命化リフォームを実施するための設計ポイント例が、表2−11(ハード面)と2−12(ソフト面)になります。 長期にわたって耐久性が求められる建物の構造部には、耐震改修のほか、劣化部の修繕や耐久性のある材料への交換、劣化の進行を遅らせるための措置が必要です。漏水、結露、蟻害、通気性の不足、塗装類の剥離などを解消するために、防蟻処理や、浴室など水まわり周囲の防腐・防水措置、小屋裏や床下の換気・防湿対策を実施します。 構造部は改修後も定期的に劣化の有無などの確認が必要となるため、容易に点検ができるよう、リフォームの際には床下や小屋裏の空間ごとに点検口を設置します。 省エネルギーやバリアフリーといった性能も、長期に使用するうえで不可欠な住宅性能です。他の工事と併せて一体的に行えるかどうかや、リフォーム時点で居住者等がバリアフリー性能を必要としていなくても、将来必要になった際に簡易に対応できるようにしておくなど、設計時に配慮しておきます。 改修部位が現行の基準や法令を満たさない性能である場合には、現行に適合する改修計画とします。内装・設備は将来の更新を容易に 構造部と異なり、内装や設備機器等は耐用年数が短いため、長寿命化リフォーム以降も適宜更新を要する部位です。将来の交換が容易に行える仕様や工法を提案し、交換の際の搬出経路を確保するなどの配慮も必要です。 給排水等の配管は仕様によって更新時期の目安が異なりますが、定期的な点検やメンテナンスが必要となるため、点検口の位置の検討や、交換する際には構造躯体の解体など大がかりな工事にならないような配管ルートや工法を検討します。長期優良住宅の性能を目標に 長寿命化リフォームでは、長期優良住宅の認定基準がひとつの目安になります。 (独)住宅金融支援機構の『木造住宅工事仕様書』(発行:井上書院)では長期優良住宅の認定基準を満たす技術仕様も記載されているため、長寿命化リフォームの設計や施工の際に参考とすることができます。瑕疵保険への加入も 工事部位の仕様や施工範囲、工事時期などは、図面や書類等を作成して居住者に説明し、大切に保管するよう、居住者等に伝えることも必要です。 また、万が一の工事不具合に備えて、現場検査と工事の欠陥に備える保証がセットになったリフォーム瑕かし疵保険に加入することも、居住者等への安心感につながります。【第2段階】長寿命化リフォームの設計・施工長期使用する構造部の強化や性能向上を中心に

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