「長寿命化リフォーム」の提案Ⅵ
28/184

22第1章 長寿命化リフォームの概要【第1段階】診断・企画・長寿命化リフォームの事業適否判断①診断から事業適否判断までの流れ長寿命化リフォーム検討に向けた診断 長寿命化リフォームとは、既存の住宅を社会資産として、長期にわたり愛着を持って活用し続けられるために実施するリフォームのことです。長寿命化リフォームによって既存住宅の資産価値を高め、将来中古住宅市場での流通を可能とすることも大きな意義の1つといえます。 このため、長寿命化リフォームを行う第1段階では、診断により、長寿命化リフォームの検討に入るかどうかの適否判断が必要になります。 対象となる既存住宅の部位・部材をスケルトン、インフィルの区分を設定したうえで、その劣化度や取り合いを診断します。そして、長寿命化リフォームを施すことが適当な住宅なのか、長寿命化リフォーム計画案を検討したうえで、事業適否判断を行う段階へ進むか判定を行います。  図2−9は、前ページに示した長寿命化リフォームの3つのステップのうち、第1段階「診断・企画・長寿命化リフォームの事業適否判断」の流れの例を示したものです。大きく、以下の3点から評価・検討します。①建物構造部の耐震性能・耐久性の診断②住宅の長寿命化に必要となる住宅性能の診断③居住性の診断 これらを確認したうえで、建物に対する愛着、街並み、景観との調和等の「ソフト面の検討」を加えながら、長寿命化リフォームの意義を説明し、居住者または所有者(以下「居住者等」といいます)に提案します。診断において確認する際のポイント まずはじめに、建物の長期使用に不可欠な「①建物構造部の耐震性能・耐久性の診断」を行います。ここでは地盤の強度、構造躯体の強度や劣化具合、屋根や外壁からの雨水浸入の有無など、建物の耐久性に関わる問題点がないかどうか確認します。改修を要すると判断した場合はその改修工事の内容と概算費用を確認します。 次いで「② 住宅の長寿命化に必要となる住宅性能の診断」を行います。現状の断熱材などの充填状況やバリアフリーへの配慮など、快適性や安全性に必要な住宅性能について確認します。バリアフリー性能については、現状の居住者等への対応だけでなく、将来の高齢化を考えた準備も含めて検討します。改修を要すると判断される場合は、改修工事および算費用を確認します。 そのうえで 「③ 居住性の診断」を行います。主に室内の居住性についての確認が中心となりますが、内装や設備等の不具合の確認をはじめ、間取りや仕様などについて居住者等の要望もうかがい、概算費用を算出します。長寿命化リフォームの企画 以上、①から③までの調査結果をもとに、長寿命化リフォームで必要となる改修の内容を整理し、全体の概算費用を確認し、長寿命化リフォームの事業適否判断を行います。費用が居住者等の予算よりも高くなる場合は、建物の耐久性や住宅性能の向上などを優先し、改修時期や費用の目安を整理して、長寿命化リフォームを1回で実施するか、または段階的に実施することが可能かどうかについて検討し、企画・提案します。

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です