「長寿命化リフォーム」の提案Ⅵ
168/184

162[第4章]ストック時代に向けたこれからのリフォームビジネス日本でも性能本位での査定の動きが これまでわが国で行われてきた、住宅投資額と住宅資産額との関係を表したものが図1−4(上)になります。これを見ると昭和44年以来、50年近くで893兆円もの金額を住宅に投資してきたにもかかわらず、市場で評価される住宅の総資産額は、実際の投資額累計を約500兆円も下回る額しか積み上がっていないことがわかります。 資産額累計が投資額累計を大きく下回る理由の1つとして、資産評価を減耗のある再調達原価(減価償却法)で設定していることが挙げられます。建物の資産価値について、一律「築年数」で固定化されてきたわけです。 つまり、どんなに維持管理やリフォームにコストを掛けても、売却時の査定額にはほとんど反映されてこなかったのが実情です。ちなみに日本の償却年数は22年に過ぎません。 しかしアメリカなど海外では、リフォーム=投資という数式が成り立つ市場が形成されています。住まい手のリフォームや手入れ次第で、将来建物を売却する際の査定額に大きく差が出る仕組みとなっています。 軽い模様替えの改装から、リフォーム等の改築などによって、メンテナンスやリフォーム費用として投資した分だけ売却額が上がり、利益となって返ってくるのです。図1−4(下)をみてもわかるように、リフォームなど住宅への投資が不動産価格として反映しているばかりか、投資額より高い価格で取引されたりもしているのです。 近年、日本の不動産業界でもこうした建物の査定ルールが見直され、住宅が築年に関係なく、建物本来の住宅性能で評価される方向に動き出しています。リフォームなどの住宅に対する投資が、売却時の価格に反映される時代がすぐそこまで来ています。どんな住宅に資産価値があるのか では、今後どのような住宅が資産価値が高いストックとなり得るのでしょう。市場ニーズとして、下記のような性能や仕様等が挙げられます(表1−1)。●建物が長期使用でき、また高い基本性能が備わっていること●建物の利活用に際し、ランニングコストや維持管理コストが低いこと●第三者が購入、利活用できるよう、不動産流通市場に載っていること●適切な維持管理やリフォームによって、市場価値を維持していること このように、高い住宅性能を有し、不動産流通市場に流通可能なストックが、高い資産性を備えるといえます。そのため、長寿命化リフォームは既存住宅の資産価値の維持・向上に大きく寄与するといえます(図1−5)。 日々のメンテナンスに始まる維持管理をはじめ、適切なリフォームが、その後の資産価値を大きく左右していきます。住まい手とビルダー・事業者とが一体となって、住まい手の快適性に加えて高い資産価値の維持も目指していきたいものです。1-2 住宅ストックを真の資産にする住宅性能や流動性を付与することで中古ストックは資産価値が高まっていきます

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です