「長寿命化リフォーム」の提案Ⅵ
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160[第4章]ストック時代に向けたこれからのリフォームビジネス住宅を社会資産にするために 本書の冒頭(第1章)でもお伝えしましたが、長寿命化リフォームとは、既存住宅をバランスよく性能向上させることで、●住環境を向上させることで、住まい手の日々の生活の向上を図ること●長期(数世代)にわたって住み続け、住み継が れるストックとして、利活用を可能とすること●個人や社会の資産となる価値と流動性を付与す ること●良好な街並み景観の形成に寄与すること などを実現するリフォームを指します。 本テキストの最終章として、ここでは長寿命化リフォームを誰に向けて実施すべきかについて、今一度考えてみましょう。「あなたの家」を「次の人の家」にも 持ち家住宅などの不動産は、基本的に「個人資産」となります。なので、実施するリフォームについても、その第一目的が住まい手の住環境や資産価値の向上にあることは疑いありません。まずは施主の求める暮らしの実現が、リフォームビジネスに求められる要素といえます。 しかしこれからの時代においては、個人資産であることを超えて、その住宅を次の世帯・世代等による活用に資するストック=社会資産とさせていくことも重要になっていきます。 その理由として、長寿命化された住宅ストックは数世代使い続けることが可能になりますが、将来的に第三者に譲渡・貸与するなど、社会全体で長期に利活用していく流れが当たり前になっていくからです。 図1−1をご覧ください。従来の30年程度で建替えられていた家であれば、親子での居住など家族間だけで使い続けられました。しかし長寿命化リフォームで数世代使用可能なストックとなると、中古流通市場等を通じて第三者間の利活用が当然になっていきます(図1−2)。住宅を社会資産にするために これまでのリフォームは、住まい手である「あなた(施主)の家をどうするか」が主眼でしたが、これからの社会においては「この家をどうするか」、あるいは「社会がこの家をどう使っていくか」という視点を持って接することが重要になっていきます。住宅を、個人の家としてだけでなく、「社会的共通資本」=国民全体の大切な資産として、社会で大事に使っていくという姿勢が欠かせなくなってきているのです(図1−3)。 住宅を、特定個人に帰属する資産から、社会全体にとっての資産に。住宅を性能向上によって「社会資産化」させること、これも長寿命化リフォームの大きな目的の1つといえます。 住宅を長寿命化させることは、個人資産としても高い価値を持つことにつながりますので、こうした考えは所有者の利害と相反しません。むしろ、一般的なリフォームしか知らない住まい手に対し、長期使用による資産価値の向上の視点を積極的に伝えることが欠かせなくなっていくはずです。1-1 住宅ストックに社会的視点を持つ必要性これからの住宅は個人資産としてだけでなく社会資産として利活用されていく1 これからのリフォームビジネスのあり方

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