「長寿命化リフォーム」の提案Ⅵ
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144第3章 空き家の利活用と再生のためのリフォーム住宅以外の地域ニーズを見つける 東京都世田谷区の木造アパート「ホワイトつかさ」は、自然に恵まれた良好なロケーションをもちつつ、築年の古さや設備の老朽化、何より最寄駅より徒歩25分という距離がネックとなり、近年空室が目立っていました。 知り合いの建築家に相談したところ、そのまま住宅としてリノベーションしても効果は一時的なものに留まるとアドバイスされ、シェアハウス等へのコンバージョンなど新たな利活用方法について検討していました。 そんな中、オーナーの祖父が入院、リハビリ生活を送ることとなり、高齢者施設や在宅サービスの情報収集をしていく中、地域にデイサービス施設の利用ニーズがあることを知ることに。祖父のためだけでなく、自分が将来年を重ねた時に利用してみたいと思える施設をつくろうと思い立ち、社会福祉法人との出会いもあって、デイサービスと地域の寄り合い所に転用するプロジェクト「タガヤセ大蔵」が進んでいきました。転用でオンリーワンの物件に コンバージョンに際しては、1階3室の部屋の間仕切り壁を取り払い、ワンルームに変更。各所に構造壁を加え、基礎も強化するなど、建物自体の耐久性を高めました。室内は、キッチンやトイレ等の水回りや収納、事務室以外はほぼワンルームのままにし、建具等の間仕切りでデイサービスゾーン、静養スペース、カフェスペース、ショップスペース等を緩やかにゾーニングしています。 このスペースではデイサービスのほか、認知症カフェやミニイベントなども開催し、地域や周辺住人との交流の場としても機能させています。 こうした転用に際しては法規上の制約も多々ありますが、リフォーム面積が100㎡以下であったため用途変更であっても確認申請が必要なく、比較的スムーズに進められました。 一般的に、駅からの遠さは賃貸競争力の弱さとなりますが、その地域内に必要な施設に転用できれば、遠さはむしろメリットに転化できる可能性があると、担当した建築家は語っています。3-7 賃貸空き家のリフォーム事例②    木賃アパートの1階全室を   ワンフロア化し、   デイサービス施設に   コンバージョン●木賃アパートの1階3室をまとめて1室に●周辺エリアの高齢化率の高さからデイケア施設に転用●近隣住民の多世代交流の場としても機能長寿命化リフォームのポイント

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