「長寿命化リフォーム」の提案Ⅵ
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140第3章 空き家の利活用と再生のためのリフォーム性能劣化と高い空室率を一気に解決 築年の古い賃貸アパートは、性能劣化や設備仕様の陳腐化などが進み、概して競争力が衰えています。リフォームを実施しても入居者を獲得できるかが不明のため、投資に躊躇するオーナーは多いようです。ここにご紹介するTアパートも築40年以上が経過し、リフォームの必要がありましたが、8室中4室が空き室という状況もあってなかなか実施に踏み切れませんでした。 しかし、東日本大震災で建物の外壁にひびが入るなど、オーナーが建物性能への不安を感じており、アパートの耐久性と入居率向上の両者を目指してリフォームを実施しました。 リフォーム予算は、今後も空室だった場合の空ロス相当分を改修費として設定し、改修内容を検討していきました。 建物の耐久性・耐震性においては、屋根の葺き替え、外壁のクラック等の補修に加え、構造部の耐震改修によって上部評点1.0以上とし、長期使用が可能になりました。室内賃借部も、バリアフリー仕様にしたり、バスルームを新設するなど、間取り、設備、仕様を一新することで、入居者の競争力が高まりました。自治体の助成制度を活用 アパートの建つ東京都墨田区では、木賃アパートを対象とした空き部屋改修補助事業(民間木造賃貸改修支援事業)を実施しており、耐震改修費用と合わせてこれらの助成制度を活用してコストダウンを図ることができました。高齢者のセーフティネット住宅を増やしたい区と、コストダウンを図りたいオーナーの意向がマッチした形です。 このように、築年が古めでもリフォームによって高性能で安心・安全なストックにすることで、高齢者向け住宅などアパートの入居需要を高めることは十分可能といえます。3-6 賃貸空き家のリフォーム事例①    空室が発生していた   木賃アパートを   住宅セーフティネットとして活用●耐震性の向上及び空き家対策を契機に改修を検討●空ロス相当分を改修費として設定し、改修内容を検討●補助・助成制度を活用し、基礎的な性能向上を実現外壁に見られたクラック等は補修し、吹付タイルで外装全体の塗り直しを実施しました。長寿命化リフォームのポイント

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