「長寿命化リフォーム」の提案Ⅵ
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128第3章 空き家の利活用と再生のためのリフォーム狭小住宅を再生 東京都墨田区の北部にある八広地区一帯は戦前からの住宅地で、現在も幅4mに満たない狭い道路沿いに戸建て住宅やアパートなどの木造住宅が密集する、いわゆる「木密」(木造住宅密集地域)エリアです。こうした密集市街地について、区や都、国は安心して暮らせるまちづくりとして、道路の拡幅や建物の耐震・不燃化などの防災整備が進められ、近年、街の姿が変わりつつあります。 「八広の家」はそんなエリアに建つ、昭和40年に建て売り住宅として販売された4棟の木造戸建て住宅の1軒。建坪は5.7坪(約18.8㎡)しかなく、販売時は浴室はおろか洗濯機置き場もなかった狭小住宅です。 建築当初は家族住まいを想定した住宅だったでしょうが、延床面積わずか37㎡というスペースは現在、大人数暮らしするには狭すぎます。そこで、改装による賃貸化を企画、施工したルーヴィスでは、これを2人暮らしにちょうど使いやすい住まいとしてリフォームを計画していきました。新築並みの賃料が設定可能に 以前は細かく分けられていた間取りでしたが、1・2階とも間仕切りをなくし、コンパクトでも開放的で使いやすい空間を目指しました。 1階はダイニングキッチンを中心に、トイレやバスルームなどの水回りを集約。キッチンまわりは柱や壁、天井など40年以上前の質感を生かしつつ、ステンレスキッチンなどシャープなイメージの設備機器を配することで、新旧の素材感が交錯するモダンなテイストを生み出しました。対して2階の居室は、アジアンテイストあふれる空間に。建物がもっていた木のイメージを上手に生かした格好です。 外観は昭和のたたずまい、しかし中はモダン。このミスマッチがユーザーの感性に響き、築50年の古さながら、近隣の新築物件並みの賃料が設定できました。3-2 戸建て空き家のリフォーム事例②    築40年の戸建て住宅も   本格リノベーションで   近隣の新築物件並みの賃料を確保●住み替えによって使わなくなった自宅を賃貸住宅に転用●間取りの見直しと設備の充実で時代の要求水準に応える●既存の部材を極力生かして低コストでリノベーション長寿命化リフォームのポイント

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