「長寿命化リフォーム」の提案Ⅵ
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116第3章 空き家の利活用と再生のためのリフォーム空き家を賃貸住宅にする 従来、持ち家として自己使用していた住宅ストックを、第三者に賃貸することで、住み継ぎによる利活用が図れます。所有者は、建物や土地といった資産を売却することなく、賃料という収入が得られ、資産化できる手法といえます。 戸建て住宅を賃貸住宅として貸し出す場合、大きく以下のようなアプローチが考えられます(表1−11)。①賃貸用戸建て住宅にするケース 現在使っていない住宅を賃貸物件として、第三者に貸し出すケース。転勤等による一時貸しもこれに当たります。 実施すべきリフォーム内容については、基本的には自己居住の場合とさほど変わりません。リフォーム費用をかけず、現状有姿のまま賃貸化することも可能ですが、一般的には早期に賃借人を獲得するために、間取りや内装などその地域や入居者ニーズに合った改装やリフォームが求められます。賃貸の場合事業性が求められるため、賃料に見合ったリフォーム費用で収める、コスト意識も大切になります。②戸建て住宅を複数戸の賃貸住宅に コンバージョンするケース 戸建て住宅をそのまま賃貸するのでなく、その地域ニーズに合わせてカスタマイズし、賃貸するケースも見られます。 法的、建築的な制約もあることから、大がかりな賃貸住戸にするのでなく、2階建ての上下階を独立させて2室のアパートにしたり、賃貸併用住宅として建物の一部を改装するような例が多いようです。③戸建て住宅をシェアハウス化するケース 既存の間取りを生かし、建物全体をシェアハウス化するなどの転用が近年増えています。 ②③について、1軒のストックで複数の入居者から賃料収入を得られるため、事業性が高く、空室のリスクを分散できるメリットがあります。一方で、独自のリフォームが必要になる、初期コストが高額になる、入居者管理が煩雑になる、場合によっては建築確認申請等が必要になるなどの手間もあり、提案に際しては不動産仲介業者や管理会社等との協働的な動きが欠かせません。非住宅にコンバージョンするケースも その地域や建物に賃貸住宅としての需要が少ない場合、他の用途に転用することも考えられます(表1−12)。アプローチとしては、事務所や店舗・飲食店、宿泊施設等多岐にわたります。新たな用途が地域の需要にマッチしているか、転用のためのリフォームコストが採算に合うか等、検討要素も増えていきます。 なお、こうした転用に際しては、用途変更に伴う確認申請が必要なケースがあります。建築基準法等の法律や自治体が独自に制定する条例等、用途に応じた要件を満たす必要があるのでご注意ください。どこまでリフォームする必要があるか 賃貸化に際しては事業性が出てくるため、リフォーム費用等にも制約が出てくることが多くなります。場合によっては現状のまま貸し出すことも可能ですが、耐久性、劣化対策、耐震性、断熱性の向上など、基本性能は所有者が事前に実施すべきである部位といえます。ただし収益性よりコストを優先し、内装や設備機器等について入居者の手に任せることも考えられます(表1−13)。1-7 空き家を「貸す」ための再生手法第三者に賃貸することで、賃料収入を獲得建物を手放すことなく資産化できるアプローチ

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