「長寿命化リフォーム」の提案Ⅵ
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114第3章 空き家の利活用と再生のためのリフォームリフォームの実施で売却額を高める 所有する空き家について、将来的にも利活用の予定がない場合、維持管理や固定資産税・都市計画税等の負担軽減のため、建物や土地を売却するケースも考えられます。売却することで空き家を資産化でき、またその空き家ストックが中古流通市場に出回ることで、流動性を獲得できるともいえます。 その空き家を売却物件として中古流通市場に載せる方法ですが、大きく、①現状のまま不動産業者に買い取りまたは仲介を依頼する、②所有者(売り主)がリフォームを実施した後に買い主を見つける、③建物の利活用がさほど期待されない場合、解体して更地にした後に売却を依頼するなどの手法が考えられます(表1−9)。空き家の3つの売却方法 では、それぞれのメリット・デメリットを検証してみましょう。①現状渡しでの売却依頼 土地・建物それぞれについて、現状有姿の状態で売却に出すケースです。 建物や内装に何も手を入れていないため、他の方法より売却査定額は低めになりがちです。反面、売却時の手間は他の方法より少なくて済みます。また、他の方法よりスピーディな売却が期待できます。②建物のリフォーム後に売却依頼 建物について、一定のリフォーム実施後に売却に出すケースです。 このリフォーム内容ですが、現状渡しより査定額を高めるための簡易的なリフォームと、次の買い主がリフォームなしで住まえる本格リフォーム、2つの手法が考えられます(表1−10)。 簡易リフォームは、内装の変更や最低限の設備機器の更新が中心で、この手法の最大の目的は、購入希望者の購入・内見時のイメージを高め、早期に売却することが主眼になります。そのため、本来の住宅性能が向上しないことも考えられます。買い主の意向というより、売り主の都合でリフォームしていますから、買い主が再度リフォームを実施する可能性も高いといえます。 一方、本格リフォームは、新たな買い主が再リフォームなしで住まえるような、高レベルのリフォームを売り主が実施する手法です。手間やコストはかかりますが、その分売却価格も高められます。一方で、買い主の嗜好に合ったリフォーム内容が不可欠のため、企画力やデザイン力等が求められます。③建物を解体後に売却依頼 建物に資産価値がないと判断した場合、更地にして土地の状態で売却することで、査定額が高くなるケースも考えられます。ただし、土地の査定額が解体費用以上にプラスされるとは限らないため、現状有姿での売却との比較が重要になってきます。1-6 空き家を「売る」ための再生手法売却額を高めるために、現状のままで売却するのでなくリフォームの検討も考えられます

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