「長寿命化リフォーム」の提案Ⅵ
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104第3章 空き家の利活用と再生のためのリフォーム 本章では、住宅ストックの中の「空き家」を対象として、利活用のための検討とリフォーム手法等について検討していきます。居住中の住宅と違い、現状の住宅性能が不十分であったり、また当面の利活用の予定がないストックも存在することから、独特の進め方が必要になっていきます。相続した住宅を活用できていない 総務省の「平成25年住宅・土地統計調査」によると、国内の総住宅数は6063万戸と、5年前の調査時に比べて約305万戸も増加しています(図1−1)。空き家数も約63万戸増の約820万戸となり、空き家率は過去最高の13.5%にまで達しています。 空き家となっているストックの築年数を見てみると(図1−2)、築31年以上の空き家が45%に達していますが、一方で築20年以内の空き家も30%ほどあり、決して古いストックばかりというわけではありません。 空き家となった理由の一番は、親の所有する住宅を相続したことで、以前住んだことのある・なし両者を合わせると44%にも達します(図1−3)。また、住み替えによって新たな家を取得したものの、元の家を売却や貸し出し等せず、保有し続けたまま未活用にしているケースも23.8%に達しています。空き家の概況 近年空き家が増加する理由として、以下のような要因が挙げられます。【社会的側面】・国が長年にわたって新築住宅の建築や持ち家取得の普及を推奨してきたため、住宅ストックの総数が増加した・消費者が家族構成の変化や加齢などの理由から別の住宅に住み替える際、以前の住まいを売却・利活用しない(できない)でいる・1960年代の高度経済成長期以来、地方部から都市部への人口移動が進み、これが地方部の空き家数の増加につながっている・相続の際、相続税や贈与税などの節税対策から、需要が少ないにも関わらず賃貸アパート等が建てられている現状がある【住宅性能の向上】・建物の基本性能が向上し、高耐久化しつつある。そのため解体や建替えまでの期間が長くなり、ストック数の増加につながっている【所有者側の問題】・親から実家などを相続したが、当面の利活用方法が見つからず、そのまま放置している・別荘を購入したが、近年使っていない。あるいは売るに売れない・古い建物を解体したいが、費用が高額のため放置している。また、更地にすると固定資産税が大幅に上昇するため、解体せず放置したままにしている今こそストックを生かす知恵を! このように理由はさまざまですが、はっきりしているのは、古い建物だから空き家になっているのではなく、比較的新しいストックが利活用されず、放置されているという現実があるということです。せっかく投資した資産を生かすためにも、また社会的要請からも、これらのストックを上手に生かす知恵が求められているといえそうです。1-1 空き家の概況比較的新しいストックも空き家になっており積極的な利活用の提案が求められています1 空き家の利活用と再生手法

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