「長寿命化リフォーム」の提案 Ⅴ
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32第1章 長寿命化リフォームの概要省エネ・断熱性能向上リフォームのニーズ 住まいの省エネ・断熱化は、エネルギー消費量を抑えるだけでなく、温熱環境を改善することによって住まい手が「快適」かつ「健康」に住み続けることができる、という点で、長寿命化リフォームを推進するうえで重要な要素です。 東日本大震災後の節電要請により世の中全体として省エネルギーに対する関心は高まり、住宅版エコポイントの追い風を受けて、「内窓」の認知度は飛躍的に上がりました。 いっぽう、外壁、屋根・天井、床の断熱化に関しては、工事が大がかりになることが多く、またそもそも住まい手は、冬寒く夏暑くて困っていても、すぐに「断熱工事をしよう」という発想には結びつくわけではないので、それほど普及が進んでいるわけではありません。省エネ・断熱性能向上リフォームの技術・工法 省エネリフォームに関しては、数多くの技術、工法、素材が開発されており、さらに断熱改修だけでなく、自然エネルギーの利用、省エネルギー設備への交換、取付など、多岐にわたります。一般財団法人建築環境・省エネルギー機構が発行している「既存住宅の省エネ改修ガイドライン」(表2-12)では、断熱・遮熱・気密改修工法に関わる16種類の手法をはじめ、実践的な現場作業のポイントを含めた情報がわかりやすく示されています。同書に記載されている断熱材は、グラスウール、押出法ポリスチレンフォーム、吹付断熱工法など、広く用いられているものとなっています。当協議会が実施した事例調査でも、実際の現場ではこのような断熱材が多く使用されていました。 断熱改修は、防湿や通気等を含めた正しい設計、施工を行わないと結露などかえって住まいに悪影響を及ぼす可能性があるため、設計者のみならず実際の施工者も含めて、しっかりとした技術を身につける必要があり、高い技術を持った人材の育成やそのための環境整備が大切です。住まい手にわかりやすい工夫…「見える化」 住まいの老朽化、家族構成の変化、新たな住宅の取得など、さまざまな動機によるリフォームをきっかけとして、住まい手に省エネ・断熱化の重要性をしっかりと理解してもらい、耐震などその他の性能向上リフォームと併せて複合的に進めていくことが合理的です。 特に、省エネ・断熱化リフォームは、効果が目に見えるものではないため、一般財団法人建築環境・省エネルギー機構による新築を対象とした「自立循環型性能評価書」のように、数値で表すことも有効であると考えられます。(図2-13)□省エネ・断熱性能の向上は、住まい手が快適かつ健康に住み続ける住まいにするという点で、長寿命化リフォームを進めるうえで重要な要素です。□震災等をきっかけに省エネルギーに対する関心は高まり、窓断熱の認知度は向上しました。いっぽう外壁・屋根・天井・床の断熱改修の普及はそれほど進んでいません。□省エネ・断熱性能向上リフォームは、さまざまな動機によるリフォーム等をきっかけとして、そのタイミングで住まい手に省エネ・断熱化の重要性を理解してもらい、耐震化などその他の性能向上リフォームと併せて、複合的に進めていくことが合理的です。□グラフやチャートなど「見える化」を図ることも有効です。性能向上リフォームのポイント②省エネ・断熱性能向上リフォーム

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