「長寿命化リフォーム」の提案 Ⅴ
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26第1章 長寿命化リフォームの概要建物検査(インスペクション)の重要性 住まいの長寿命化を進めるにあたっては、既存住宅を長期間使用し、快適に住まうことができるようにするため、まずは居住者等からのヒアリング等にもとづく所見をふまえ、必要とされる建物検査(インスペクション)を実施することにより、現況の老朽度、耐震性、省エネルギー性、バリアフリー性等を正確に把握することが重要です。 逆に言えば、インスペクションを確実に行ってこそ、的確な改修計画ならびに維持管理計画を作成できるわけで、長寿命化リフォームにおいてインスペクションは大きな役割を担っています。 したがって、実際の現地調査、建物検査は、長寿命化リフォームの設計、施工に精通した検査員(インスペクター)が実施することが求められ、長寿命化リフォームの主体である「住まい手」の視点を重視することが大切です。長寿命化リフォームを目的としたインスペクション 「インスペクション」という言葉そのものは広義で、中古流通業者等が中古住宅の売買、査定等を目的として行う劣化診断や性能評価も「インスペクション」と称されます。長寿命化リフォームにおけるインスペクションとの目的や視点の違いをよく理解しておくとよいでしょう。(表2-8)住宅性能表示制度や住宅瑕疵保険にインスペクション 2000年にスタートした住宅性能表示制度のほか、リフォームに対する住まい手の安心を担保するしくみとして、2010年春よりリフォーム瑕疵保険制度が運用されています。これは「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保に関する法律」に基づいて、国土交通大臣から指定された保険法人が販売する保険です。 リフォーム瑕疵保険は、リフォーム事業者が加入するもので、リフォーム工事を包括的に対象としています。工事に瑕疵があった場合には保険金が事業者に支払われます(免責あり)。また、事業者が倒産している場合には、住宅所有者に支払われます。 これらの住宅性能表示制度や住宅瑕疵保険制度では、建物検査の内容は、わが国で行われているインスペクションの場で広く活用されており、これらの内容を基本に改良を加えているものが多くみられます。これらの視点や水準は、既存住宅の長寿命化の観点とも合致するものであり、インスペクションに取り組もうとする事業者は参考にするとよいでしょう。□住まいの長寿命化にあたっては、まずは居住者等からのヒアリング等にもとづく所見をふまえ、必要とされる建物検査を実施することにより、現況の老朽度、耐震性、省エネルギー性、バリアフリー性等を正確に把握することが重要です。□中古住宅の売買や査定を目的とした劣化診断とは目的が異なり、長寿命化リフォームの設計・施工に精通した検査員(インスペクター)が実施し、「住まい手」の視点が重視されます。□住宅性能表示制度、住宅瑕疵保険の視点や求める水準は、既存住宅の長寿命化の観点とも合致するものであり、インスペクションを行ううえで参考になるものです。建物検査(インスペクション)

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