「長寿命化リフォーム」の提案 Ⅴ
20/194

14第1章 長寿命化リフォームの概要急速に進行する高齢化、住環境には不安も 日本の人口は、2004年に1億2779万人でピークに達し、以後は徐々に減少しており、2048年には1億人を割ると推計されています。 生産年齢人口(15~64歳)と年少人口(15歳未満)が減少傾向にあるなかで、65歳以上の高齢者は著しく増加していきます。2010年の65歳以上の高齢化率は23.0%となり、2035年には3人に1人が高齢者となると推計されています。少子高齢化が進むなか、高齢者のいる世帯の割合も急速に高まってきます。<資料:「日本の将来推計人口(平成 24 年1月推計)」(国立社会保障・人口問題研究所)> ただし、住宅のバリアフリー化については、こうした社会変化に対応できているわけではありません。2013年の住宅・土地統計調査によると「手すり」や「またぎやすい高さの浴槽」、「廊下など車いすで通行可能」など、高齢者や障害者に配慮したバリアフリー設備のある住宅は、近年増加していますが、まだまだ十分とはいえません。(図2-5) また「中高年の高齢期への備えに関する意識調査」では「高齢期に備え、優先的にお金を使いたいもの」として「住宅の新築・増改築・修繕」が3割近くを占めています。ほかの回答よりも高い割合であり、高齢期の住環境面の不安が見て取れます。(図2-6)住宅の基本性能としてバリアフリー対応を こうした社会背景を考慮すると、何世代にもわたって長期に利用される住宅が備えるべき性能としては、日常生活に身体機能上の制限を受ける高齢者等の利用上の利便性および安全性を確保することが、求められます。 長期優良住宅の認定基準は、集合住宅については、住宅性能表示制度の高齢者等配慮対策等級(共用部分)の等級3相当以上と定めています。長期に利用される構造躯体においては、建築後に対応困難な部分(共用廊下等)についてあらかじめ必要なスペースを確保することが求められます。 既存住宅に対して、長寿命化リフォームを行う場合には、バリアフリー対応について行える事柄が限られてくる場合もあります。住宅性能表示制度における基準(高齢者等配慮対策等級)の内容などについて参考にしながら、取り入れられる事項については取り入れる、いまは必要でなくても将来に対応可能な配慮を行っておく、などの対応が求められます。 このほかにも「同一フロアで生活ができるように」したり「短く単純な動線計画にする」「水まわりは広めに」など、居室のプランニング自体に工夫するなど、バリアフリーに配慮したリフォーム計画を行うことも大切です。(表2-5)③バリアフリー性能高齢化が急速に進むなか、長期使用の住宅はバリアフリー対応に

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です