「長寿命化リフォーム」の提案 Ⅴ
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158第3章 リフォームビジネスの新たな取り組み8軒に1軒が空き家という時代 2013年住宅・土地統計調査(総務省)によると、日本の総住宅数は約6,063万戸。対して総世帯数は5,246万世帯で、1世帯あたりの住宅数は1.16戸となっています。空き家率で見ると13.5%と、2008年に比べて0.4ポイント上昇しました。今や8軒に1軒が空き家になっているわけです。 近年の人口減少や都市部への流出などの理由から、特に地方部で空き家や管理が行き届かない住宅が増加しています。こうした空き家の放置は、美観の低下や防犯上の懸念、災害問題などデメリットばかりで、場合によっては地域の価値さえ損ないかねません。2013年現在、300以上の自治体で空き家等の適正化に関する条例が制定され、危険な空き家についての公表や勧告、解体支援や除却等情報が公開されています。空き家の弊害例ゴミの不法投棄や建物への落書きの恐れ雑草、落ち葉、害虫等の発生の恐れ建物倒壊や落下物の危険性などの防災リスク地域の景観を損ねる犯罪や非行の温床になりやすい無人だと建物の傷みが早い地域全体の価値を下げる ちなみに、こうした空き家問題は地方部だけの話ではありません。郊外はもちろん、東京23区といった都心部でも深刻なエリアが多数存在します。都心部は地価の高さや人口密度の高さから、税収や防災問題にも影響してきます。住宅は地域の資源でもあるという発想 こうした背景から、所有者に代わって空き家の清掃や定期巡回等を実施する管理サービスも登場しています。その担い手は警備会社や地元不動産会社、建物解体会社等さまざまですが、維持管理への期待から、今後はリフォーム事業者も活躍の余地がありそうです。しかも単なる維持だけでなく、修繕やリフォームなど、再度利活用をめざす提案ができるところに、リフォーム事業者のアドバンテージもあります。古民家の修復など、伝統的な建築や建築技術の継承にもつながる意義深い活動にもつながります。 住宅は個人の資産ですが、同時に家並みや修景として、地域の顔やまちづくりにも貢献する重要なファクターでもあります。住宅としての使用だけでなく、カフェや店舗などにコンバージョン(用途転換)することも可能ですし、デザイン的な力でまちの表情を変えることも可能です。 空き家をお荷物にせず、まちの資源として有効活用できる知恵を、リフォームを通じてぜひ提案していきたいものです。2-4 【注目のビジネスモデル③】空き家や古民家の再生や利活用をリフォームで支援リフォームビジネスのポイント● 空き家が増加する昨今、リフォーム等で 再生や利活用を推進することも事業者の責務● 空き家はその地域の資産でもある  上手に活用することでまちの活性化にも寄与できる

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