「長寿命化リフォーム」の提案 Ⅴ
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148第3章 リフォームビジネスの新たな取り組み高額な提案は実施されないことも… 住宅とは、住まい手の生活の根幹を成す拠点であり、日々安全、安心、快適に暮らすために欠かせないインフラ(基盤)です。また、長寿命化リフォームは、建物を性能向上させることで住まい手の安全性を高めることはもちろん、居住快適性を高めたり、ランニングコストを低減するほか、資産価値の向上等にも寄与します。 性能向上のためのリフォームアプローチは、事業者によってさまざまですが、性能向上の基本機能として「耐久性」「耐震性」「断熱・省エネ性」「バリアフリー」が挙げられることは第1章で述べました。ただ、実際のリフォーム現場においては、各性能の目標レベルや採用の可否については必ずしも一律ではなく、地域や建物の現状性能や築年によって目標性能が違っていたり、実施しない工事があったりします。あるいは費用の都合から、性能の目標レベルを下げたり、場合によっては改修を見合わせるケースも考えられます。段階的な提案で1回の負担額を下げる 高額のリフォームとなると、誰もが気軽に投資できるわけではありません。そうした住まい手の負担を緩和し、手軽に取りかかれるメニューの提示も、既存のストックの性能向上に欠かせない配慮です。例えば、数回のリフォームによって住まい全体の性能向上をめざす「段階的リフォーム」は、1回で実施するよりトータルコストはかかるものの、1回の費用負担額は大幅に軽減でき、実施に踏み切りやすい提案ともいえます。そうした住まい手の立場からの提案が、最終的にリフォームの実施につながっていくことでしょう。長期修繕計画の提示は、その住まい手との長い付き合いにもつながっていきます。部分リフォームから全面改修へ 右ページのケース①では、1棟全体リフォームに加え、2階建て住宅の1階だけを性能向上させるリフォームメニューも用意されていますが、特に高齢者で1~2人暮らしの住まい手に支持されているとのことです。 使わない空き部屋も含めた全面リフォームでは、予算的に難しい場合、すぐに必要としない部分にはコストをかけない割り切りが、リフォームの実施につながっていくようです。住宅全体でないにせよ、建物の性能向上につながっており、こうした部分改修や段階的な改修も、住まい手の利便性に配慮した提案であり、性能向上リフォームの推進のための1つの手段ともいえそうです。2-2 【注目のビジネスモデル①】住まい手の利用しやすさや安心感にも配慮したメニューの提示リフォームビジネスのポイント● 住まい手に極力負担をかけない プランや工事計画の提示を● 段階的なリフォームを提案するなど、 住まい手の費用負担や資金計画に配慮した提案も大切

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