「長寿命化リフォーム」の提案 Ⅴ
150/194

144第3章 リフォームビジネスの新たな取り組みリフォーム前提なら不満は解消される 中古住宅は、設備機器や内装をそのまま使用すると前居住者の生活や中古感が感じられるため、これを敬遠する消費者が多いとされています。 リクルート住まい研究所の「住宅購入者調査」(2008年)でも、中古住宅を見学したものの、最終的に新築住宅を購した人の理由の第1位は「せっかくのマイホームは新築の方が気持ちいいから」(42.9%)と、他人が使用した空間に新たに住まうことに抵抗感をもつ方の多さがうかがえます(本書41ページ参照)。 また内見の際、バスルームやキッチンのグレードや使用感などに幻滅し、中古住宅の購入意欲が減退した方が6割にも達したとあります。 しかし今回の中古住宅購入者へのヒアリングでは、そうした抵抗感が減っていることがうかがえました。持ち家の取得を検討し始めた当初は新築住宅の購入を検討したものの、希望するエリアや資金との兼ね合いから中古住宅を購入してリフォーム工事を行った方にも多く話をうかがいましたが、どの買い主も現在の生活に十分満足されているご様子でした。 リフォームすることを前提とすれば、中古住宅に対する心理的抵抗感も解消され、持ち家探しの選択肢も広がっていくわけです。前述の住宅購入者調査でも、中古住宅の内見の際にリフォームの案内や提案を受けた方はわずか17%でした。適切なインフォメーションや提案があれば、中古にまつわる誤解も霧散していくことでしょう。漠然とした不安イメージを払拭する 今後は、未だ漠然と不安を持ち続けている方に対し、リフォーム、とりわけリノベーションなどとも呼ばれる全面リフォームによって、室内のイメージを一新できることを啓発していくことが大切です。 設備更新等の最低限のリフォームを行うだけでも、中古住宅が有する他者の使用感や中古感は取り除け、自分が思い描く生活を手に入れられることを、広くアピールしていく必要があります。 国や業界の働きかけも大事ですが、とりわけ不動産仲介業者やリフォーム事業者の果たす役割は大きなものとなります。 多くの事例写真を見てもらうことで、漠然とした不安なイメージを払拭できるでしょう。関連書籍や専門誌も増えており、プレゼンテーションの素材には事欠かないと思います。OB顧客の生の声をお伝えしたり、リフォーム後の空間を実際に見ていただくのも効果的です。 中古住宅には価格面に加え、同価格帯の新築物件より敷地や建物面積が広かったり、ロケーション上、より利便性の高い物件を選べるなど、新築にないメリットが多々あります。 実際に住む実物を内見チェックでき、建物の現在性能を正しく知ることができることも、中古住宅の大きなアドバンテージといえるでしょう。課題⑦他人が暮らしてきた住宅に新たに住まうことに心理的抵抗感を持つ人は多い● リフォームによって設備も内装も  新築同様にリフレッシュできることを  積極的にアピールしていく● 事例写真をお目にかけるなどして、  納得、安心していただく対処法

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です