「長寿命化リフォーム」の提案 Ⅴ
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08第1章 長寿命化リフォームの概要リフォームで長期優良住宅に準じる性能へ 2009年6月より新築住宅を対象にした「長期優良住宅普及促進法」が施行されました。 既存住宅の性能向上の目標を検討するに当たって、表2ー1に示した長期優良住宅の認定基準の視点や水準は、既存住宅の長寿命化の観点と合致します。したがって、これを拠り所として必要な仕様や性能を上げることが考えられます。 前節で解説した長寿命化リフォームの考え方については、長期利用に耐える耐久性を備えたSI住宅化するというものです。SI住宅は「劣化対策」「維持管理・更新の容易性」「可変性」などの項目と密接に関わるものです。また、長寿命化リフォームが備えるべきマスタープログラムについては、項目のうち「維持保全計画」と関連が深いものと捉えることができます。住宅性能を高めるリフォームを 別の視点からも検討してみましょう。一般的にリフォームは、軽微な設備機器の修繕や交換から、増改築まで幅広く呼ばれてきました。 これらについて目的・内容別にリフォームのタイプについて表2-2に整理しました。 このうち、「(1)メンテナンス・修繕・設備更新」については、居住を継続するための基本的な性能を維持保全することで、長寿命化リフォームの要素となるものではありません。 次の「(2)性能向上」については、新築時の初期性能について、時代を経て時代の要求性能の向上などに対応し(例・耐震基準や長期優良住宅認定基準など)要求性能の水準に引き上げる、改良することを想定しており、長寿命化のために必要な住宅性能を備えることと密接に結びつくリフォームと考えることができます。 また「(3)模様替え・増改築など」は、住まい手のニーズの変化に合わせた更新・生活改善を目的としており、住まい手のライフスタイルの変化への対応、満足のための改善であり、このことも長寿命化リフォームに当たっては考慮すべき視点です。 つまり、長寿命化リフォームを行うに当たっては、「(2)性能向上」や「(3)模様替え・増改築など」についても、適切に考慮して計画に反映することを検討します。長寿命化リフォームで備える住宅性能 図2-1は「建物の劣化のタイプ」と「長寿命化リフォームで備える住宅性能」の関係について整理したものです。 建物の劣化については「経年劣化」「機能的劣化」「社会的劣化」の3つがあるとされています。建物を長期にわたって使うためには、これらの劣化対策を適切に行うことが求められます。特に、劣化部の修繕・更新や劣化の進行を遅らせるための措置を行うことが有効となります。 長寿命化リフォームの核をなす「SI住宅化」において耐久性を備えることは、前節で整理しました。 したがって、ここでは「(2)性能向上」の基本要素「①耐震性能」「②省エネルギー性能」「③バリアフリー性能」の3つの住宅性能について整理します。2-1 長寿命化リフォームで備える住宅性能既存住宅を長期優良住宅に準じる住宅性能へ2 リフォーム技術と手順

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