「長寿命化リフォーム」の提案 Ⅴ
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04第1章 長寿命化リフォームの概要長期にわたる住宅性能の持続性を 長寿命化リフォーム(SI住宅化)を行うことによって、既存住宅を長期に使用することが可能になります。 住宅が経年によって、性能劣化することを示したのが、図1-5です。既存住宅を20年目に長寿命化リフォームして長期使用する場合と、30年毎に建て替えた場合について、仮に90年の期間で、比較して図示しています。 「従来型:30年毎の建替え」であれば、90年間に新築(建替え)を3回行うことになります。10年毎に2度、修繕を行っても30年後には、性能面で不満が出てきて除却して建替えるというモデルです。 一方、「長寿命化リフォーム」は、一般的な既存住宅を築後20年目に、長寿命化リフォームを行うことで、SI化を図り、スケルトンに長期の耐久性を与えます。その後、インフィルについては修繕やリフォームを重ねて、90年にわたって使っていくというものです。長期での住居費負担は軽く さて、図1-5で示した住宅性能を維持・向上させる、あるいは建替えで刷新するモデルについて、住居費負担の累積という観点で捉え直したのが、図1-6です。新築やリフォームの費用については、あくまで想定ではあるものの、図中に示した設定値をもとに90年にわたる住居費の負担累積を比較しました。 まず「従来型:30年毎の建替え」では、30年毎の建替え費用により、90年の累積は7800万円となり、年当たりの住居費負担額は約87万円と試算されました。 一方「長寿命化リフォーム」では、一般的な既存住宅を築後20年目に、大きな費用を伴う長寿命化リフォームを施して、以降、適切な修繕やリフォームを重ねて、やはり90年使っていくものとしました。その累積は5300万円で、年当たりの住居費負担額は約59万円で、建替えを繰り返すよりも約3割、住居費の負担が軽くなります。長寿命化リフォームで「ゆとり」を獲得 ヨーロッパでは住宅を長く大切に使う文化が根付いているといいます。 「ゆとり」は、「生涯収入」から「生涯支出」を差し引いたものと考えると、図1-7に示すように、日本人はヨーロッパ人に比べて「ゆとり」が少ないということができるかもしれません。これは、住宅を30年毎に新築することで住居費の負担が重くのしかかっているからです。 これに対して、長寿命化リフォームによって住宅を長持ちさせることで、住居費にかかるコストを抑えることができれば、ひいては「ゆとり」を獲得することが可能になると考えられます。1-2 長寿命化リフォームの意義長寿命化リフォームを行う意義は何でしょうか?経済的なメリットについて考えてみましょう

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