「長寿命化リフォーム」の提案
10/82

第1章 長寿命化リフォームの要素技術 6 3 リフォームを目的としたインスペクションに関する業界団体等の動き 我が国では、インスペクションに関する統一的な公的基準や資格制度は存在しないため、それぞれの団体や事業者が独自に取り組んでいるのが実態です(国土交通省は、「中古住宅・リフォームトータルプラン」において、インスペクションのガイドラインを制定することを公表しています)。 業界団体等によるリフォームを目的としたインスペクションの動きとしては、一般社団法人工務店サポートセンターが、平成24年より運用する資格制度「JBNインスペクション・システム」において「既存住宅改修インスペクター」の認定を行う予定となっています。 一般社団法人日本木造住宅産業協会も、独自の資格認定制度の確立に向けて検討を進めています。また、平成24年4月に、既存住宅流通に関連する団体が横断的に集まって発足した一般社団法人既存住宅インスペクター教育研究会など、さまざまな団体や事業者による動きが見られます。 4 「劣化対策」ならびに「維持管理・更新の容易性」の重要性も念頭に 長寿命化リフォームのための建物検査(インスペクション)を実施するにあたっては、「劣化対策」ならびに「維持管理・更新の容易性」も、考慮しておくべき大切な要素として挙げられます。 長期にわたって耐久性が求められる建物の構造部には、耐震改修のほか、劣化部の修繕や耐久性のある材料への交換、劣化対策が必要です。漏水、結露、蟻害、通気性の不足、塗装類の剥離などを解消するために、小屋裏や床下の換気・防湿対策や防蟻処理、浴室などの水回り周囲の防腐・防水措置も必要です。 構造部は改修後も定期的に劣化の有無などの確認が必要となるため、容易に点検ができるように、床下や小屋裏の空間ごとに点検口を設置することも大切です。 詳細は、「長寿命化リフォーム」の提案 ストック時代の新たなビジネスモデルp.26~35「長寿命化リフォームで備えるべき住宅性能」ならびに「長寿命化リフォームの提案」【追補版】p.8・9「長寿命化リフォームの設計・施工」で解説していますので、参照してください。 (参考)住宅性能表示制度、住宅瑕疵保険等における建物検査 当協議会が行った調査では、現在、わが国で行われているインスペクションと称される建物検査や診断は、すでに広く運用されている ①「住宅性能表示制度」の現況調査 ②「住宅瑕疵担保責任保険」の現場検査 ③「フラット35」の適合証明検査 等 の内容を基本に、独自に改良を加えているものが多く見られました。 これらの視点や水準は、既存住宅の長寿命化の観点とも合致するものであり、インスペクションに取り組もうとする事業者にとっても参考になるものです。

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です