排出事業者向け石綿対策の要点
(「最近の主な法改正内容」および「建築物等の解体等時の主な対策」)

平成18年12月18日
住宅リフォーム推進協議会
廃棄物対策特別委員会

1.最近の主な法改正内容
<排出事業者(住宅リフォーム工事業者)向け石綿関係法改正の主要点>
改正内容要点
関係法令
 
【施行日:平成18年10月1日】
・これまで「非飛散性アスベスト廃棄物」との呼称であったものを「石綿含有産業廃棄物」と改め、含有をこれまでの「1.0重量%を超えるもの」から「0.1重量%を超えるもの」に変更された。
・収集拠点から最終処分施設への廃棄物の直送の他、業の許可による「積替え又は保管」を行うことも可とする。(中間処理施設のみなし行為は廃止(積替え・保管を含めた収集運搬業許可を持たない中間処理施設への搬入は出来なくなった。))
・最終処分施設への廃棄物の委託が発生する場合は、処分委託契約の締結が必要。
・廃石綿等(吹付け、保温材等)以外の石綿含有産業廃棄物についても、排出事業者は必要事項が記載された帳簿(台帳)の備え付けが義務付けられた。
・石綿含有産業廃棄物を委託する場合には、マニフェスト及び委託契約書への必要事項の記載が義務付けられた。
・石綿含有産業廃棄物の処理委託に際しては、他の産業廃棄物と区別して1枚のマニフェストの交付が義務付けられた。

・廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令及び海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令(平成18年政令第250号) 詳しくはこちら>>>

・廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則等の一部を改正する省令(平成18年環境省令第23号) 詳しくはこちら>>>

・廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令及び海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令等の施行について(通知)(平成18年9月27日環境省通知 環廃対発第060927001号) 詳しくはこちら>>>

環境省
【施行日:平成18年9月1日】
●労働安全衛生法関係
・規制の対象となる有害物の範囲が、石綿を0.1%超えて含有するものまで拡大された。
●石綿障害予防規則関係
・吹き付けられた石綿等の封じ込め又は囲い込みの作業は、除去作業に準じた措置を行うことになった。
・労働者を臨時に就業させる建築物の壁、柱、天井等に吹き付けられた石綿等が損傷、劣化等によりその粉塵を発散させ、及び労働者がばく露するおそれがあるときは、労働者に呼吸用保護具及び保護衣又は作業衣を使用させなければならなくなった。
・器具、工具、足場等について、付着した石綿を除去した後でなければ作業場外に持ち出せなくなった。
・作業の記録及び健康診断の結果は、石綿の作業に従事しないこととなった日から40年間保存しなければならなくなった。
・労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令(平成18年8月2日政令第257号)

・石綿障害予防規則等の一部を改正する省令(平成18年8月2日厚生労働省令第147号)

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厚生労働省
【施行日:平成18年10月1日】
・吹付け石綿及び石綿含有吹付けロックウールが石綿の飛散のおそれのある建築材料として使用できなくなった。(法)
・増改築時には、原則として石綿の飛散のおそれのある建築材料の除去が義務付けられたが、増改築部分の床面積が増改築前の床面積の1/2を超えないときは、増改築部分以外の部分について、封じ込めや囲い込みの措置の許容が制定された。(政令)
・大規模修繕、模様替え時には、該当部分以外の部分について、封じ込めや囲い込みの措置の許容が制定された。(政令)
・囲い込みが必要な工事については、確認申請時、該当部分を図示した図書を添付しなければならなくなった。(施行規則)
・石綿等を飛散又は発散させるおそれがない石綿等添加建築材料として、吹付け石綿及び石綿含有ロックウール以外の石綿を添加した建築材料が定められた。(告示)
・建築基準法に規定する石綿等を飛散又は発散させるおそれのある建築材料を、吹付け石綿と0.1重量%を超える石綿を含有する吹付けロックウールとした。(告示)
・封じ込め及び囲い込みの措置の基準が定められた。
(告示)
・建築基準法 第二十八条の二 第一項、第二項

・建築基準法施行規則 第一条の三

・建築基準法施行令の一部を改正する政令(平成18年政令第308号)

・建築基準法施行規則の一部を改正する省令(平成18年省令96号)

・石綿等を飛散又は発散させるおそれがない石綿等をあらかじめ添加した建築材料を定める告示(国土交通省告示1172号)

・封じ込め及び囲い込みの措置の基準を定める告示(国土交通省告示1173号)

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国土交通省

2. 建築物等の解体等時の主な対策 (赤部は今回改正内容)
I.事前調査
事業者は、建築物等の解体等の作業、封じ込め又は囲い込みの作業を行うときは、あらかじめ、石綿の使用の有無を目視、設計図書等により調査し、その結果を記録しておかなければならない。調査の結果、石綿の使用の有無が不明なときは、分析調査し、その結果を記録しておかなければならない。但し、石綿等が吹き付けられていないことが明らかで、石綿が使用されているとみなして対策を講ずる場合、分析調査の必要はない。

II.作業計画
事業者は石綿が使用されている建築物等の解体等、封じ込め又は囲い込みの作業を行うときは、あらかじめ次の事項が示された作業計画を定め、当該作業計画により作業を行わなければならない。
(1)作業の方法及び順序
(2)石綿粉じんの発散を防止し、又は抑制する方法
(3)労働者への石綿粉じんのばく露を防止する方法

III.届出
【1】耐火建築物又は準耐火建築物における吹付け石綿の除去作業については、工事開始の14日前までに所轄労働監督署長に届出が必要。

【2】次の作業については、工事開始前までに所轄労働監督署長に届出が必要
(1)石綿含有保温材、石綿含有耐火被覆材、石綿含有断熱材の解体等の作業
(2)封じ込め又は囲い込みの作業
(3)【1】以外の吹付け石綿の除去作業

【3】確認申請を伴う(床面積が10uを超える増改築、大規模修繕等。詳細は建築基準法 第6条 参照)囲い込みが必要な工事については、確認申請時(工事開始までに指定確認検査機関等の建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。)、当該部分を図示した図書の添付が必要。

IV.作業者等の教育
 i.特別教育
事業者は、石綿が使用されている建築物等の解体等の作業、封じ込め又は囲い込みの作業に従事する労働者に次の科目について教育を行わなければならない。
(1)石綿の有害性
(2)石綿等の使用状況
(3)石綿等の粉じんの発散を抑制するための措置
(4)保護具の使用方法
(5)その他石綿等のばく露の防止に関し必要な事項

 ii.作業主任者(石綿則第19条、第20条 参照)
事業者は、石綿作業主任者を選任し、次の事項を行わせなければならない。
(1)作業に従事する労働者が石綿粉じんにより汚染され、又はこれらを吸入しないように、作業の方法を決定し、労働者を指揮すること。
(2)保護具の使用状況を監視すること。

V.作業時
 i.保護具、器具等
(1)石綿を含む建材等の解体等、封じ込め又は囲い込みの作業をするときは、労働者に呼吸用保護具(防じんマスク)、作業衣又は保護衣を使用させなければならない。
(2)労働者を臨時に就業させる建築物の壁等に吹き付けられた石綿等が損傷、劣化等によりその粉じんを発散させ、及び労働者がその粉じんにばく露するおそれがあるときは、呼吸用保護具、保護衣又は作業衣を使用させなければならない。
(3)保護具等は、他の衣服から隔離して保管し、廃棄のために容器等に梱包したとき以外は、付着した物を除去した後でなければ作業場外に持ち出してはならない。
(4)器具、工具、足場等について、廃棄のために容器等に梱包したとき以外は、付着した物を除去した後でなければ作業場外に持ち出してはならない。

 ii.封じ込め・囲い込み
吹付け石綿及び石綿含有吹付けロックウールが、人が活動することが想定される空間に露出しているものに対しては、囲い込み(石綿が添加された建築材料を板等の石綿を透過しない材料で囲い込むこと。石綿が添加された建築材料に著しい劣化、損傷がある場合に当該部分から石綿が飛散しないようにする措置を行うこと等。)又は封じ込め(建築基準法第37条により認定された石綿飛散防止剤を用いて、石綿が添加された建築材料を被覆し、又は添加された石綿を建築材料に固着させること。石綿が添加された建築材料に著しい劣化、損傷がある場合に当該部分から石綿が飛散しないようにする措置を行うこと等。)の措置をとらなければならない。
但し、増改築部分の床面積が増改築前の床面積の1/2を超えないときの増改築部分以外の部分、及び大規模修繕、模様替え時の該当部分以外の部分については、封じ込めや囲い込みの措置が許容される。
囲い込み又は封じ込めの作業をするときは、それらを湿潤なものとする等、除去作業に準じた措置をとらなければならない。

 iii.湿潤化
石綿を含む建材等の解体等、封じ込め又は囲い込みの作業をするときは、それらを湿潤なものとしなければならない。

 iv.隔離・立入禁止等
(1)吹付け石綿の除去、封じ込め又は吊りボルトを取り付ける等の囲い込みの作業を行うときは、当該作業場所をそれ以外の作業場所から隔離しなければならない。
(2)石綿含有の保温材、耐火被覆材、断熱材の解体等の作業、(1)以外の囲い込みの作業を行うときは、当該作業に従事する労働者以外の者が立ち入ることを禁止し、その旨を表示しなければならない。また、元請事業者は、関係請負人への通知、作業の時間帯の調整等必要な措置を講じなければならない。
(3)その他の石綿を使用した建築物等の解体等の作業においても、関係者以外の者が立ち入ることを禁止し、その旨を表示しなければならない。

 v.廃棄物処理
石綿を含有した建材等の廃棄物処理は廃掃法他関連法令に則り適正に処理しなければならない。以下は主なリフォーム工事で想定される石綿含有建材(成形板等)の現場対応要点となっている。

■除去作業
作業場は、周辺への粉じんの飛散防止幕を設けるとともに、手作業にて石綿含有建材(成形板等)をできるだけ原形のまま撤去する。撤去した石綿含有建材(成形板等)は他の廃棄物と混合せず、湿潤な状態を保ちながら、プラスチック袋、ブルーシート等で梱包する。梱包には「石綿含有産業廃棄物」等の表示をする。

■一時保管
事業者は、当該廃棄物が運搬されるまでの間、法律に定められた基準(他の廃棄物との分別、保管場所の表示、管理責任者の配置など)に従って保管する。

■積載・搬出
当該廃棄物を他の廃棄物と混合しないよう区分して運搬車両に積み込む。変形又は破断しないよう原形のまま積み込み、飛散防止措置としてシート掛け等の措置を行う。積載物が石綿含有産業廃棄物であることの視認できるケ所への表示が必要。積載作業者は、保護具等の着用が望まれる。
処理委託に際しては、他の産業廃棄物と区別して1枚のマニフェストに必要事項を記入すること。

■処分場への搬入
一般的には処理委託業者が処分場へ持ち込むケースが多いが、積替え・保管を含めた収集運搬業許可を持たない中間処理施設への搬入はできない。その結果、最終処分場への廃棄物の委託が発生する場合は、最終処分業者との委託基本契約の締結が必要になる。

■帳簿
廃石綿等(吹付け、保温材等)以外の石綿含有産業廃棄物についても、排出事業者は必要事項が記載された帳簿(台帳)の備え付けが義務付けられた。

VI.記録の保存
石綿等を取り扱う作業場において常時作業に従事する労働者について、作業等の記録(1月を 超えない期間毎に次の事項を記録)及び健康診断の結果について、当該労働者が当該事業場において常時当該作業に従事しないこととなった日から40年間保存しなければならない。
(1)労働者の氏名
(2)従事した作業の概要及び当該作業に従事した期間
(3)石綿等の粉じんにより著しく汚染される事態が生じたときは、その概要及び事業者が講じた応急の措置の概要

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